生活習慣から痔を防ぐ 食物繊維と水で腸内を調える
座りっぱなし、重たい荷物もリスク
日本経済新聞電子版
起床後に水1杯
東京医科歯科大学臨床栄養部の斎藤恵子副部長は「起き抜けに水をコップ1杯飲み、朝食を取ると腸のぜん動運動が促され、便秘対策になる」と話す。豆類やコンニャクなど不溶性食物繊維は水で膨張しやすく便量が増える。主食は「玄米などの方が食物繊維が多い。繊維を強化したシリアルなら手軽だ」という。
一方、アルコールやキシリトール、油分などの取り過ぎで下痢しやすい。既に痔がある人は「唐辛子など辛い食物は排泄時に肛門周辺を刺激するので避けた方がいい」(斎藤副部長)。アルコールも炎症や感染を助長する可能性が高い。
便秘予防のためにも、便意を我慢するのは禁物。便意には波がある。一度消えると、次の波まで少し時間がかかり、その間に直腸内の便から水分が失われて硬くなるとますます出にくくなる。佐原センター長は「便意から5分内に」という。
痔になってしまったら、どう対処すればいいのだろうか。トイレットペーパーに血が付く程度の裂肛による出血ならば誰にでも起き、自然に治ることも多い。
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