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関節リウマチ、薬で治療 症状の進行が抑えられる

早期発見がカギ たばこは引き金に

 日本経済新聞電子版

関節が腫れて痛む関節リウマチ。かつては難病の代名詞で、全身に症状が広がって寝たきりになることもあった。治療薬が進歩し、現在は進行を抑えることが可能になっている。症状や診断、治療についてまとめた。

写真はイメージ=(c)Tharakorn Arunothai-123RF

 関節リウマチは膠原(こうげん)病の一種。膠原病とは細菌などの異物から体を守る免疫機能の異常により、本来守るべき自分の細胞や組織を攻撃し、炎症などを引き起こす自己免疫疾患を指す。

 日本の患者数は約70万~100万人とみられる。女性が約8割を占め、特に30~40代の女性に多く発症する

 主な症状は関節の痛みや腫れ、こわばりなど。慶応義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科の竹内勤教授は「発症すると、関節の軟骨を包んでいる滑膜に炎症が起きて腫れ、朝起きたときにこわばりを感じるようになる」と説明する。どの関節にも発症の可能性があるが、最も多いのは手指の第2関節と第3関節だ

 チェックリスト(イラスト参照)にある症状が見られたら、早めに内科や整形外科を受診する。特に(1)~(3)全てに該当すると、関節リウマチの可能性が大きい。東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター診療部長の山中寿教授は「早期発見と適切な薬物治療により、半数以上の患者が日常生活に支障のないレベルに回復する」と話す。

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 症状には個人差があるが、炎症に伴う微熱が出て倦怠(けんたい)感や貧血などが起こる。痛みに加え、軟骨や骨などが破壊されて関節が変形することもあり、そこまで進行すると手術で機能再現を図るしかない。

 発症は遺伝的要因よりも、環境面の影響が大きいと考えられている。日本人の3人に1人は関節リウマチのリスク遺伝子を持つが、発症するのは人口の約0.5%だ。

 引き金になるのは妊娠・出産や感染症、骨折など大ケガ、精神的なストレスなど。喫煙習慣や歯周病が発症を招くこともわかってきた。山中教授は「たばこは引き金になるうえ、発症後の重症化ももたらす。関節リウマチのリスクがある人全てに、即刻禁煙を勧めたい」と強調する。

 診断には血液検査や画像検査を用いる。治療方針は個々の症状やライフスタイルによって異なる。リウマチ科や膠原病科で、薬物の知識と治療経験が豊富な「リウマチ専門医」に相談するとよいだろう。

 かつては痛みを抑える対症療法しかなかったが、免疫を抑制する抗リウマチ剤が開発された。21世紀に入り、遺伝子工学を活用した生物学的製剤(注射、点滴)やJAK阻害薬と呼ばれる内服薬が登場。現在は関節の破壊の進行を抑えられるようになった。

 痛みや炎症を抑える抗ステロイド薬などを併用し、仕事や家事をしながら寛解(生活に支障がない程度に症状が治まった状態)を目指すことは十分可能。「発症から約2年の間に薬を服用すると、経過が良くなることがわかっている」(竹内教授)

 治療は10~20年ほど続く。その間処方される生物学的製剤(現在8種類)の費用は月額5万~10万円(3割負担の場合)。病気とうまく付き合いながら寛解を目指すには、経済面に加え、家族による心身両面の支援が欠かせない。

 関節リウマチは関節だけでなく全身の病気だ。十分な安静を心がけよう。日常生活では疲れをためないことが大切。十分な睡眠に加え、昼寝やこまめな休息などで体調を整える。関節の痛みは冷えると強まるので、長袖の衣類などで保温するとよい。

 関節の機能や筋力を保つために運動も重要。痛みが落ち着いたら、主治医の指示に従って、関節を保護しながら手足を動かす。翌日に疲れが残らない程度が目安。無理せず気長に取り組むとよいだろう。

(ライター 大谷新)

[NIKKEIプラス1 2019年2月16日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「病気・医療」からの転載です。