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寒い季節の紫外線、油断しない 肌の対策にビタミンD

 日本経済新聞電子版

冬は夏に比べて日差しが穏やかになるため、日焼け対策に油断をしがちだ。ただ、浴びる紫外線はけっしてゼロではなく、肌が乾燥しやすい時期のためダメージは見過ごせない。しっかり効果的な対策を進めたい。

写真はイメージ=(c)elenajoe-123RF

 アリオ北砂皮フ科・アレルギー科(東京・江東)の八十島緑院長は、どの世代の人に対しても「皮膚科医として、いつの季節でも紫外線を極力浴びないようにすることを勧めたい」と話す。また、美容診療の立場から、五本木クリニック(東京・目黒)の医師、松下洋二美容診療部長は「肌老化の約7割は日焼けが原因。最も効果のある肌のアンチエイジング法は紫外線ケア」と言い切る。

 地上まで届く紫外線にはUV‐AとUV‐Bの2種類がある。波長が長いUV‐Aは皮膚に深く浸透し、コラーゲンなど皮膚の繊維を変性させて老化を促進。しわ、たるみの原因となる。一方、UV‐Bは皮膚の表皮のやけど(日焼け)を引き起し、メラニン色素が大量に作られることで、くすみ、しみ、そばかすの原因となる。

 UV‐Bは「長年浴び続けると皮膚細胞のDNAを傷つけ、いずれ皮膚がんを引き起こす恐れがある」(八十島緑院長)。若いうちに浴びた紫外線の影響が、高齢になってから出ることが多い。

 しかし、今の中高年世代には日光浴が体に良いという考えが広く浸透している。1997年までの母子手帳には「日光浴の必要性」が記され、子供のころや青年期の日焼けした肌は健康のシンボルとされた。こうした意識を柔軟に変えることが必要になる。

 例えば、現在も健康のため、冬でも日光浴によって体内にビタミンDを生成することが大切という考えがある。新型コロナなどウイルス感染症の予防に有効という指摘もされている。だからといって、過度に日光浴することは控えたい

 八十島緑院長の夫で内科クリニックを同じ場所で開設する八十島唯義院長は、「紫外線による肌ダメージを考えると、カツオやキノコ類など、ビタミンDを多く含む食品から取ることも有効」とアドバイスする。

[画像のクリックで拡大表示]

 冬の紫外線対策の第一は、外出時の肌の露出を極力減らし、冬でも日焼け止めを塗ることだ。日焼け止め化粧品のパッケージには「SPF」と「PA」の表示がある。

 SPFはUV‐Bに対する防御(数値が大きいほど高い)、PAはUV‐Aに対する防御(「+」の数が多いほど高い)を表す。松下医師は「通勤・買い物などの日常であればSPF15~20、PA++程度で十分。雪山レジャーでは強い紫外線を防御できるSPF30~50、PA+++~++++」と助言する。

 冬は乾燥によって肌のバリア機能が低下しているため、強い日焼け止めを使うと、肌荒れを起こす可能性もある。その場合は1段階落としたタイプを選ぶと良い。

 また、日頃の保湿も大切になる。美容液や乳液、保湿クリームなどにはさまざまな成分のものがある。実際に使い専門医の助言を受けながら自分の肌と相性の良いものを見つけたい。

 八十島緑院長、松下医師が「冬の要注意ポイント」と警告するのが雪で反射する紫外線。直接当たる紫外線を100%とすれば、新雪の反射率は80%とされている。「標高が1000メートル上昇するごとに紫外線量は10~12%増加するというデータもある」(八十島緑院長)という。

 紫外線が肌に与えるダメージは徐々に蓄積され、時間を経てから肌の老化や皮膚がんのほか、白内障などを引き起こす。世代や季節の違いに関係なく肌対策が重要なことを意識したい。

(ライター 大谷新)

[NIKKEIプラス1 2021年2月20日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「健康づくり」からの転載です。
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