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トピックス from 日経電子版

細い髪、目立つ地肌… コロナ下の男女の薄毛悩み対策

 日本経済新聞電子版

以前と比べて「髪が細くなった」「地肌が透ける」と悩む人は少なくない。抜け毛の原因や症状は男性と女性で異なる。進行を遅らせ、健やかな髪を保つためにも、仕組みを正しく知り、適切な対策をとろう。

写真はイメージ=(c)Olga Yastremska-123RF

 髪は毛根の一番下にある毛球(もうきゅう)部で生まれる。ここで毛母(もうぼ)細胞が分裂を繰り返すことで伸びていく。成長期(2~6年)→退行期(2~3週間)→休止期(3~4カ月)という過程を経て抜けていき、また新たな髪が同じ過程を繰り返す。しかし成長期が短くなるなど、このヘアサイクルが乱れると抜け毛が気になるようになる。

 男性の抜け毛のほとんどは、男性ホルモンの影響で髪の成長が止まる男性型脱毛症だ。東邦大学医療センター大橋病院皮膚科の新山史朗准教授によると「ジヒドロテストステロンという男性ホルモンの一種に毛母細胞の増殖を抑える作用がある」。

 これが増えると、髪が太く成長する前に抜けていくため、うぶ毛のような軟毛が目立つようになる。「男性ホルモンの受容体がたくさんある額の生え際や頭頂部が薄くなりやすい」(新山准教授)のが特徴だ。

 抜け毛に悩むのは男性だけではない。女性の髪は全体的にボリュームを失い、分け目やつむじの地肌が透けるようになることが多い。これをびまん性脱毛症という。クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(東京・千代田)の浜中聡子院長は「女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減ること、頭皮の血流が悪くなることが2大要因」と話す。エストロゲンには髪の成長期を長く保つ働きがある。血流は髪の成長に必要な栄養を運ぶことが知られている。

[画像のクリックで拡大表示]

 男性と女性の抜け毛は、直接原因が異なるものの共通の間接原因がある。加齢、生活習慣の乱れ、強いストレスだ。加齢を止めることはできないが、生活習慣の改善やストレスの軽減はできる。

 「髪はケラチンという、たんぱく質でできている。動物性と植物性のたんぱく質を偏りなくとってほしい」と浜中院長。たんぱく質の吸収を高めるミネラルやビタミンも欠かせない。おすすめの食事はバランスのよい和食だ。

 質のよい睡眠をとることも心がけたい。「体内のたんぱく質の合成を促す成長ホルモンは睡眠中に多く分泌される」(浜中院長)からだ。

 血流を促すためには、早歩きのウオーキングなど適度な運動を習慣にするとよい。血流低下を招く喫煙は禁物だ。

 強いストレスは体の免疫力を低下させる。「体は生命維持に欠かせない臓器に栄養を優先的に供給する。髪は後回しにされ、抜け毛が起きやすくなる」(浜中院長)

 コロナ禍が長引くなか、先の見えない不安や急激な生活変化で抜け毛に悩む人が最近増えているという。在宅勤務で不規則になりがちな生活を改め、趣味を楽しむなどストレス軽減に努めると悪化予防につながる。

 抜け毛が深刻な場合は一人で悩まず、脱毛症の専門医がいる医療機関を受診しよう。新山准教授は男性型脱毛症に対し「男性ホルモンの働きを弱め、進行を遅らせる飲み薬を処方する」。毛母細胞を活性化し発毛を促す塗り薬と併用するのが今のところ有効な治療法だ。塗り薬は女性の抜け毛にも効果を発揮する。ヘアサイクルもあり、抜け毛治療は結果が出るのに時間がかかる。最低でも6カ月は継続することが必要だ。

 新山准教授は東京医科大学、資生堂などと毛髪再生医療の臨床研究に取り組んでいる。有毛部の頭皮から発毛に関わる細胞を採取して培養し脱毛部に移植する。男女問わず応用できる治療法として、実用化が期待されている。

(ライター 松田亜希子)

[NIKKEIプラス1 2021年1月23日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「健康づくり」からの転載です。

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