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コロナ換気はヒートショックに注意 寒い冬は2段階で

 日本経済新聞電子版

寒さが厳しい季節。気をつけたいのが急激な温度変化が体に負担をかけるヒートショックだ。血圧の急変動は心筋梗塞など命に関わる病気の原因になる。コロナ下のストレスもリスクを高めるので注意したい。

写真はイメージ=(c)Natdanai Pankong-123RF
写真はイメージ=(c)Natdanai Pankong-123RF

 冬の寒さは体調に大きな影響を与える。代表的なものがヒートショックだ。「温度変化による血圧の急激な変動が、不整脈や心筋梗塞、脳出血、失神を引き起こす」と温泉療法専門医で東京都市大学の早坂信哉教授は説明する。

 特に注意が必要なのが、入浴やトイレなど、低温の場所で衣服を脱ぐ場面だ。入浴時では、暖かい居室から冷えた脱衣所に入る際に血管が収縮して血圧が上昇。冷たい浴室に入るとさらに血圧は上がる。早く温まろうとすぐに熱い湯に入ると、その刺激で血圧が上昇する。体が温まるにつれ血圧は下がるが、冷えた脱衣所で再び血圧が上がる。

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 一方、血圧が急に下がる時にも危険はある。湯船で寝そべった状態から急に立ち上がると血圧は一気に降下。立ちくらみを起こし転倒や失神することがある。「入浴時は脱衣、入浴、湯船から立つ、脱衣所に出る時と、4回のリスクがある」と住環境と健康を研究する近畿大学建築学部の岩前篤教授は指摘する。

 暖かい居室から冷えたトイレや廊下に行くときや冷えた部屋での着替え、起床時なども注意が必要だ。「特に朝は自律神経の中でも交感神経が働き、体は血圧を上げる。そこにヒートショックが加わると急激な血圧上昇を招きやすい」(早坂教授)

 ついしてしまいがちなのが、短い時間だからと部屋着のまま屋外に出ること。早坂教授は「ゴミ出し、洗濯物の取り入れ、新聞を取りに行くなども危険。上着を羽織るくせをつけたい」と助言する。

 どんな人がヒートショックを起こしやすいのか。動脈硬化で血管がもろくなっている高齢者は要注意だ。若くても、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの動脈硬化疾患や、不整脈などの循環器疾患の持病がある人も用心したい。「コロナ下では、ストレスで血圧が上がる人も少なくない。また、運動不足や過食は動脈硬化を進める」(早坂教授)

 ヒートショックを防ぐ一番の方法は、家の中の温度差を少なくすること。2018年に世界保健機関(WHO)が公表した「住宅の健康性に関するガイドライン」では、冬は最低でも全室18度以上、高齢者がいる場合は21度以上を推奨している。

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 「日本家屋では難しい目標だが、せめて全室13~15度にはしたい」と岩前教授。家の断熱性と気密性を高めるには、外気が入りやすいコンセント周りを養生テープで塞ぐ、廊下や玄関ドアの足元にドアクッションを置く、カーテンを床まで覆う長さにすると効果的だ。「玄関や階段につながる通路など、冷気が入りやすい場所をカーテンで仕切るのもいい」(岩前教授)。

 全室を温められない場合は脱衣所やトイレに暖房器を置き、浴室を入浴前にシャワーなどで十分に温めておく。足の裏で冷たさを感じることも血圧上昇の引き金になる。素足は避けフローリングや脱衣所にはマットを敷くといい。

 就寝中の寝室の室温は18度以上に保つ。寝具内は28~33度なので布団から出た時の温度差を少なくするためだ。朝は部屋を温めておくためリビングや台所の暖房器具のタイマーをセットしておく。

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 この冬は感染症予防のため、換気をする機会も多い。その場合、人がいない部屋の窓を開け、人がいる部屋との間とその部屋の窓を少し開ける2段階換気をすると、急激な室温の低下を起こしにくい。「換気中もエアコンなどの暖房をつけておくことも大切」と岩前教授は助言する。

(ライター 武田京子)

[NIKKEIプラス1 2020年12月26日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「健康づくり」からの転載です。
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