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寒い季節につらい冷え症 体質や症状に合わせ漢方薬も

 日本経済新聞電子版

「厚着をしているのに肌寒い」「ふとんに入っても手足が冷たくなって眠れない」。寒さが増す季節には冷え症に悩む人が多い。食事や生活習慣の見直しが対策の第一歩。薬の服用法を含め、漢方専門医に聞いた。

(写真はイメージ=123RF)
(写真はイメージ=123RF)

 冷え症には成人女性の半数以上が悩んでいると言われている。月経や出産、閉経などでホルモンバランスが乱れ、血行が悪くなるほか、体内で熱を生み出す筋肉の量が男性に比べて少ないといった理由が考えられる。男性でも加齢で筋肉量が減り、内臓の機能が低下してくると、冷えを感じやすくなる。

 ただアリオ北砂内科(東京・江東)の八十島唯義医師は「西洋医学では基本的に冷え症を病気と診断することがない」と話す。冷え症の訴えから動脈硬化による血流障害や甲状腺機能低下などがまれに見つかるが、原因が特定できない例がほとんどだという。

 冷え症に対応する場面が多いのはむしろ漢方専門医だろう。漢方医学部門を持っている小菅医院(横浜市)の小菅孝明院長は「漢方の考え方では大まかにいって『気』『血』『水』の3つの要素のバランスによって体の調子を判断している」と説明する。気は体内のエネルギー、血が全身を巡る血液、水は血以外の体内の水分、体液を示す。3要素のバランスがよい状態を健康ととらえるわけだ。

 小菅院長は患者の体形や声の大小など患者一人ひとりの状態を「脈診」や「腹診」といった漢方のやり方でみて判断する。冷え症についても「20種類くらいの漢方薬をそれぞれの体質や症状に応じて使い分けている」と語る。

 西洋医学と漢方を併用して診療にあたっているベイサイドクリニック(横浜市)の萬谷直樹院長は「手や足といった末端の部分的な冷えと、体全体が冷えてしまっている状態とに分けて考えることが多い」と解説する。

 手や足の先を中心とした体の部分的な冷えには「血を巡らせる」のをイメージして漢方薬を処方するそうだ。代表例としては加味逍遥散(かみしょうようさん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)が挙がる。小菅院長は加味逍遥散について「手足は冷えているのに顔や頭は熱っぽい『冷えのぼせ』の症状にも使われる」と付け加える。

 体全体の冷えは高齢になったり、虚弱体質だったり、極端な痩せ形や大病の後などにみられるケースが多い。対処するときは体を元気にして、内部から温めるイメージになる。生薬としては人参(にんじん)や附子(ぶし)。漢方薬では桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、しもやけにも使われる当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などを処方するという。

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