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トピックス from 日経電子版

大動脈瘤、潜むリスク 自覚症状なく突然破裂・解離

 日本経済新聞電子版

 治療しないと命に直結する病気にどう対処すればよいのか。瘤が破裂した後の緊急手術による救命率は10~20%とされるが、実際は手術に至る前に死亡している人もいるとみられる。

 毎年の健康診断や人間ドックなどの画像検査で瘤が見つかれば、手術を実施して破裂という最悪の事態を避けることも可能だ。他の病気の検査などで偶然見つかる例も多い。高血圧や動脈硬化を指摘されている人は健診などをきちんと受けることが大切だ。ただ、解離の発症予測は難しいケースが多いという。

 瘤が見つかった場合でも、瘤ができる箇所や形状、大きさによって手術に踏み切るかどうか対処は異なるため、専門医に相談することが重要だ。

 手術は瘤や解離した部分を、人工血管で置き換える手法が一般的。開胸や開腹による手術、「ステントグラフト」という器具を入れる血管内治療などがある。

 胸や腹を開く手術は患者の負担も大きいが、実績も多い。一方、ステントグラフトは足の付け根の動脈からカテーテル(細い管)を使って瘤のある場所に送り込む。そこで器具が広がって大動脈の壁に張り付くように固定される仕組みだ。患者の負担は小さいものの、比較的新しい手法のため、長期で見た効果の検証などが求められるという。

 大動脈の病気は確実に予防できるわけではないが、生活習慣にも気を配り、リスクをできるだけ減らすようにしたい。バランスのよい食事や適度の運動を励行すれば、動脈硬化の進行を遅らせることができる。リスクを上げる高血圧や脂質異常症、糖尿病などに気を付けるとともに、飲み過ぎを避けてたばこも吸わないことが重要だ。

運転中の発症 事故リスクに

 元気な人が突然発症して意識を失う事例の多い大動脈の瘤の破裂や解離は、自動車の運転中に起きると大事故につながりかねない。

 自治医科大学付属さいたま医療センターでは1990~2014年に実施した約600例の急性の大動脈解離の手術のうち、8例が車の運転中に起きていた。6例は意識があり自分で車を止めて大事故に至らなかった。残りの2例では同乗者が車を止めて大事に至らなかった場合と交通事故を起こした場合があった。

 同センターの安達秀雄副センター長は「高齢の運転者が増えており、運転中に起きる例が続くだろう」と指摘する。現在、国内外で自動運転車などの運転支援技術の研究開発が進んでいるが、運転者の健康状態を監視する技術などもポイントの一つになっている。

(新井重徳)

[日本経済新聞朝刊2015年12月20日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「病気・医療」からの転載です。

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