運動でもストレッチでもないのに、驚くほど凝りや痛みを解消するあべこべ体操。「あべこべ」=「非日常的な動き」で脳を活性化し、やさしく心地よい振り子のような動きで体のゆがみを調整。心身の緊張を取り去る新メソッドです。
ゆっくりとした往復の動きで、関節や筋肉を緩める
「体の緊張を解くのは運動でもストレッチでもなく、心地よくやさしい動きを繰り返すこと」。こう話すのは、『あべこべ体操』の考案者、北洞誠一さん。
あべこべ体操とは、イスラエルの物理学者が考案した身体改善法「フェルデンクライスメソッド」がベースの新しい体操法だ。まずは基本の“自然な動き”を行い、その後で“非日常的な動き”として、身体の各所を左右や上下に向けてそれぞれ逆方向に動かす。これが一番の特徴だ。

「基本の動きを先に行うことで、後で行うあべこべの動きが強調され、強く意識できるようになる。さらに、“非日常的な動き”で脳が刺激される。同時に運動神経も活性化され、筋肉や関節の動きが滑らかに。柔軟性も増して体が軽くなります」と北洞さん。
ゆっくりとした往復の動きを心地よく繰り返すうちに、凝り固まっていた関節や筋肉は緩み、緊張を解き始め、体の各パーツは「“分化”する」(北洞さん)。結果的に関節の可動域は広がり、ゆがんだ骨格も正しい位置に近づいて「肩や首の凝り、腰痛が改善される」(北洞さん)のだとか。
さらにリラックス効果も高いという。体操指導中はみな、あくびを連発するとか。不眠の改善も期待できそうだ。
「無理はせず、基本とあべこべの動きの間には二呼吸分くらいの休みを挟むこと。たとえ楽でも非日常的な動きで神経は疲れを感じますから」(北洞さん)
今回から3回にわたって紹介するメソッドは、1日1~2セットですべて行うのが目安。ゆっくり気持ち良く、ゆらゆら~っと始めよう。
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