日経グッデイ

心によく効く!3つの食べ方ルール

朝はたまご、夜は豚肉、おやつにナッツを心がけて食べる!

3つの食べ方ルール:その1~朝、たまご1個で代謝アップ

何となく気分が塞ぐ、ちょっとしたことでイライラしてしまう…。そんな心の不調は、日ごろの食生活が原因かもしれません。気をつけるべきポイントはたったの3つ。たんぱく質が豊富な食事を心がけ、ビタミンB群をたっぷりとり、糖質を減らすこと。そこで、3つのルールに即した、朝・夜・おやつの簡単レシピを紹介。心によく効く栄養を届けましょう!

朝たまご&夜は豚肉で、心の栄養 「たんぱく質」「ビタミンB1」をしっかりとる!

 朝食はコーヒーだけ、夕食は外食か軽め、イライラ気分や元気がないときは甘い物で…。こんな人は、「3つの食べ方ルール」を取り入れてみよう。朝はたまご、夜は豚肉、おやつにチーズやナッツを食べるだけいい。

 マリヤ・クリニックの柏崎良子院長は食に起因する心の不調の原因を、「脳内の物質の量や調整に不可欠なたんぱく質とビタミンB群の不足。さらに、過剰な糖質のとりすぎ」だと指摘する。本来安定している脳内の物質や血糖が乱高下するために、心が不安定になるのだという。

 そこでまず、たんぱく質を補い、血糖を安定させよう。「たんぱく質は体の土台になり、血糖を緩やかに調整する。1日当たり手のひら、1つ分を目安に、肉やたまごを食べたい」(柏崎院長)。

 さらにビタミンB群も意識的にとろう。「ビタミンB1は、糖の代謝に欠かせません。特に豚肉など、B1が多い食材を」と、新宿溝口クリニックチーフ栄養カウンセラーの定真理子さん。ちなみにB1の成人男性の推奨量は1.4mg 女性は1.1mgだ。

 一方、過剰な糖質のセーブも心の安定には必要と柏崎院長。「過剰な糖質は急激に血糖値を上げ下げするため、体は自律神経やホルモンを総動員して調整する。それが心の不調に表れる」。

 下に掲載したセルフチェックを行い、自分がどの項目に多く印がついたかを踏まえたうえで、心を整える栄養をしっかりチャージするといい。早速、朝食のレシピから取り組んでみよう。

気分や体調にこんなことが思い当たらない?

 思い当たる項目をセルフチェック! 印が多くついたところを知って、どんな栄養が過不足なのかを確かめよう。

朝食は抜くことが多い
朝食は菓子パンやチョコなど、甘い物で済ます
ダイエット中でカロリー制限している
何をやってもやせない
 ⇒ たんぱく質不足 体の代謝が悪くなっているかも
集中力がない
口臭がする
手足が冷たい
目の疲れや痛みがある
 ⇒ ビタミンB群不足 脳の栄養になるビタミンB群が不足しているかも
イライラ感がある、または落ちこみやすい
不安になる
怒りが爆発することがある
落ち着きがない
悪い夢を見る
 ⇒ 糖質過多 血糖値の乱高下で気分にムラができているかも
(グラフ出典:マリヤ・クリニック)
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心の安定を乱す低血糖症

 健康な人の血糖値は食後に上がり、約1時間後から徐々に下がり始める。しかし、適切な食事をとらずに過剰に糖質をとると、血糖値が急激に“上がって下がる”を繰り返す「低血糖症」になりやすい。

 これは、急激に上昇した血糖値を下げるため、すい臓からインスリンが過剰に分泌されて、血糖値が急激に低下するために起こる。さらに、血糖値が下がりすぎると、今度は副腎からホルモンが分泌されて、血糖値が上がる。

 こうしたホルモン分泌の綱引きが、自律神経の乱れを引き起こして、心の不調を起こす原因になる。

朝・昼・晩に心がける3つのルールで食べ方チェンジ! こころを改善しよう!

 血糖値の乱れを防ぐため、朝食はしっかり食べよう。ここで意識したいのがたんぱく質。たんぱく質は筋肉などを作り、血糖値を安定させる作用があるからだ。また、糖質値や脂質に比べ、熱に変わりやすいため、体を温め、活動力も高める。最適な食材が卵だ。


 長時間の空腹を避けることも血糖値を安定させるには大切。上手に間食をとろう。「おやつは3時ごろと、帰宅前のタイミングがいい」と柏崎さん。ただし、糖質たっぷりの甘いおやつは禁物。たんぱく質が豊富なチーズや、ビタミンやミネラルが多いナッツ類をとろう。


 ストレスが多い現代人に不足しがちなビタミンB1をたっぷり含み、高たんぱく食材でもある豚肉をとろう。夕食後は、翌朝の朝食まで空腹になる時間も長いため、血糖値を比較的長く安定させられるたんぱく質が多い食事をとるのがいい。


こころによく効く食べ方 : ルール1 「朝」 たまご料理でたんぱく質をとる

1日1個で代謝をアップ!

 朝にとりたいのが、良質なたんぱく質源になるたまご。安価で手軽、料理のバリエーションも豊富と申し分ない食材だ。もしも、調理が面倒という人ならばゆで卵でもOK!

体をつくり、機能を正常に保つ
 朝にたんぱく質をとるのは、体を活動モードにするためにも重要なこと。というのは、たんぱく質はとったエネルギーの約3割が熱に変わるため、体を温め代謝をアップさせるからだ。

 そんなたんぱく質をとるのに最適なのがたまご。たんぱく質の質がとても良く、人の体では作ることができない9種類の「必須アミノ酸」がバランス良く含まれる。必須アミノ酸は、そのうち一つでも足りないと、せっかくとった他のアミノ酸の多くが無駄になる。しかし、たまごはたった1個に、体重50kgの人が1日に必要な必須アミノ酸量を3分の1も含んでいる。

レシピ[1] 洋風煎りたまご

定番レシピを簡単にアレンジ 簡単イチオシ!
    1人分
  • ビタミンB1: 0.14mg
  • ナイアシン: 1.05mg
  • たんぱく質: 13.4g
  • 食物繊維: 1.15g
材料(2人分)
  • ソーセージ …… 2本
  • 木綿豆腐 …… 1/4丁
  • オリーブ油 …… 大さじ1
  • ミックスベジタブル(解凍する) …… 1/2カップ
  • 塩・コショウ……各少々
  • A
     たまご …… 2個
     牛乳・粉チーズ …… 各大さじ1
     塩・コショウ …… 各少々
作り方
  • (1) ソーセージを1cm幅に切る。
  • (2) フライパンにオリーブ油を中火で熱してソーセージを炒める。豆腐を加え、木べらなどで崩しながら炒める。豆腐がぽろぽろになったら、ミックスベジタブルを入れて炒め、塩とコショウで味を調える。
  • (3) 火を強め、よく混ぜたAを入れて煎り卵にする。
ワンポイント・アドバイス

 豆腐は、軽く水を切っておくと出来上がりが水っぽくならない。粉チーズがなければ、代わりに牛乳を入れてもOK。

レシピ[2] ベーコンたまごの豆乳スープ

ボリュームもあり、お腹も満足のやさしい味
    1人分
  • ビタミンB1: 0.16mg
  • ナイアシン: 1.25mg
  • たんぱく質: 9.7g
  • 食物繊維: 0.55g
材料(2人分)
  • 豆乳 …… 200mL
  • ベーコン・レタス …… 各2枚
  • たまご …… 1個
  • 塩 …… 小さじ1/4
  • コショウ・パセリのみじん切り …… 各適量
作り方
  • (1) 鍋に豆乳と刻んだベーコンを入れ、中火でひと煮立ちさせる。
  • (2) (1)にひと口大にちぎったレタスを加え1~2分煮て、塩とコショウで味を調える。
  • (3) 溶き卵を入れてさっと火を通し、器に盛ってパセリを散らす。
ワンポイント・アドバイス

 先にベーコンを炒めると香ばしくなる。スープにご飯を入れてリゾットにしてもおいしい。玄米に代えれば、ビタミンB1もアップ!

レシピ[3] 全粒シリアルとたまごのサラダ

シリアルで食べごたえもアップ!
    1人分
  • ビタミンB1: 0.33mg
  • ナイアシン: 2.85mg
  • たんぱく質: 11.9g
  • 食物繊維: 2.75g
材料(2人分)
  • アスパラガス …… 2本
  • ゆで卵 …… 2個
  • ミニトマト …… 6個
  • サニーレタス …… 4枚
  • ハム …… 2枚
  • 全粒シリアル …… 20g
  • 中華風ドレッシング
     ゴマ油・酢……各大さじ1
     醤油・すりゴマ……各大さじ1/2
作り方
  • (1) ゆでたアスパラガス、ゆで卵、ミニトマトを食べやすく切る。サニーレタスはひと口大にちぎり、ハムは半分に切る。
  • (2) 器に(1)を盛って全粒シリアルを振り、ドレッシングをかける。
ワンポイント・アドバイス

 全粒シリアルは、玄米フレーク、五穀フレーク、ブランフレークなど、無糖のものを。ドレッシングは市販のものでもOK。


(取材・文:武田京子/写真:小林キユウ)

柏崎良子さん
マリヤ・クリニック 院長
柏崎良子さん 自らの心の不調の経験を食生活の改善で克服。血糖値の乱高下による心の不調を、栄養医学に基づき治療している。著書に『食べて治すうつ症状』(学研)、『低血糖症と精神疾患治療の手引』(イーグレーブ)ほか。
定真理子さん
新宿溝口クリニック チーフ栄養カウンセラー
定真理子さん 栄養療法カウンセラー。クリニックでのカウンセリングのほか、全国でセミナーを行う。「どうしても甘い物を食べるなら、空腹時でなく食後のデザートに」。著書に『妊娠体質に変わる食べ方があった!』(青春出版)。

(出典:日経ヘルス2011年3月号)