体を動かさない生活がたたり、腸を動かす筋肉までサビついたり、筋力不足になってしまったり…。そうした習慣は、実は便秘気味になる大きな原因になり、「ピリピリ腸」「だらだら腸」「出口づまり腸」のタイプによって最適な解決方法が違います。腸のタイプ別のエクササイズなら、たった3分で取り組めて、腸本来の動きを取り戻してくれます。効率よく “出せるカラダ” になりましょう!
だらだら腸はこんな人
腸の動きが鈍っているタイプで、腸で便が停滞するため、余計に水分が吸収されてしまって便秘になる。食事のほか、筋力低下が原因のこともある。

大腸の蠕動(ぜんどう)運動がなかなか起きないのが「だらだら腸」の特徴だ。食物繊維不足など食事の問題に加えて、筋力不足の問題もある。大腸の中で便を移動させていく蠕動運動は、大腸をとりまく平滑筋によるものだからだ。一般的には、腹筋が少なければ、大腸の平滑筋も少なく、蠕動運動が弱い可能性がある。さらに腹筋そのものによる「“便を押し出す力”が弱くなっている場合も多い」と指摘するのは、筋肉や筋膜に詳しい、首都大学東京の竹井仁教授。
腹筋は、排便時に腹圧を高めて便を押し出す力を生み出す。特に、大腸の最後で急カーブを描く「S状結腸(2ページ図参照)」は、最も便が滞りやすい部分だ。ここでぐっと便を押し出す力を出すために、下腹部の腹筋が重要となる。
竹井教授が重視するのが、腹筋の中で最も内臓側にある「腹横筋(ふくおうきん)」だ。腹横筋には、へそ下5~6cm、S状結腸のあたりに「弓状線」というポケット状の構造があり、ここで腹直筋が腹横筋の内側にもぐりこむ。そのため、腹横筋が緩んでいると、腹直筋の収縮が助けられず、下腹部全体の収縮が大腸に伝わりにくくなる。効率よく下腹部の腹筋を鍛え“便を押し出す力”を高めるには、脚を上げるような腹筋運動がいい。
竹井式 脚上げ腹筋 へそ下腹筋をポイント強化
床の上で上体の上げ下げを反復するおなじみの腹筋運動は、腹直筋上部には効くが下部には効きにくい。下腹を鍛えるには、脚を上げる腹筋が効率的だ。おへそを背中側に引きつけるように力を入れておけば、下腹の腹横筋も引き締まる。
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- 竹井式 斜め腹筋 最後の押し出し力アップ