呼吸を浅くしているのは、体の凝りだけではない。「心の凝り」も、深い呼吸を妨げている。
例えばあなたが、どうにも苦手だと感じている人と話をする様子を思い浮かべてみよう。想像するだけで、胸やお腹の奥の方がギューッとイヤな感じに凝り固まってこないだろうか。
こんなふうに、心の中に不快な感情のしこりがあると、筋肉だけをほぐしてもなかなかリラックスできないことがある。こういうのが「心の凝り」だ。
ストレスフルな現代では、だれでも何かしらそんなしこりを抱えている。それをほぐすのが「樹木呼吸法」。1本の木になった気分で、枝を広げたり、風に揺られるように体を動かす。
「なぜそんなことが効くの?」と思うだろうけれど、とにかく動きをまねしてみて。なるべくゆっくりと柔らかく動くのがコツ。繰り返しているうちに何となく「自分が木になったような気分」という感覚が、ふっとつかめるかもしれない。それが樹木呼吸法のポイントだ。
「自然の樹木をイメージすることで、実際に自然に触れたときのようにリラックスできる」と、龍村ヨガ研究所所長の龍村修さん。そういうイメージ力を育てるのが目標だ。
「慣れてくれば、満員電車の中でも青空をイメージしてゆったりくつろげる」(龍村さん)。そんな境地を目指して、取り組んでみよう。
メソッド7 小さな双葉をイメージしながら、発芽のポーズ
地面に埋まった種が、ゆっくりと根を伸ばし、小さな双葉が生えてくる様子をイメージして。体の力を抜き、リラックスして体を自由に動かしていこう。