「自重ストレッチ」で血行改善! 腰痛・肩こり予防!
自分の体重を使って無理なく伸ばし、30秒キープ
日経Gooday編集部
皆さま、明けましておめでとうございます。
お正月は自宅や帰省先でのんびり過ごしている、という方も多いのではないでしょうか。
じっと座ったままテレビを見続けたり、スマートフォンをいじったりしていると、あっという間に時間がたってしまいます。同じ姿勢を長時間続けていると、筋肉が凝り固まり、血行が悪くなって肩こりや腰痛のもとになりかねません。
そうした不調を予防・改善するために習慣にしておきたいのが、筋肉を柔らかくし、関節の可動域を広げる効果のある「ストレッチ」です。
ひと口にストレッチといっても、自分で自分の体の一部を引っ張ったり、器具を使ったりと、さまざまなものがありますが、今回は、過去に日経Goodayのマイドクター会員(有料会員)向けに特集し、大変好評だった「自重ストレッチ」の一部を公開します。
全身を脱力でき、筋肉を無理なく伸ばせる自重ストレッチ
自重ストレッチというのは、自分の体重(重力)を使ったストレッチのことです。
「一般的なストレッチは、腕の力などを使って筋肉を伸ばすものが多いのですが、自重ストレッチは『筋力』を使わず、自分の体重、すなわち『重力』を使って伸ばします。重力を使うことで、リラックスした状態で長く筋肉を伸ばすことができるのです」。パーソナルトレーナーでCALADA LAB.(カラダラボ)代表の比嘉一雄さんは、そう話します。筋力を使って“伸ばす”代わりに、重力を使って“伸ばされる”ストレッチ。それが自重ストレッチです。
いくつか例を挙げてみましょう。お尻の筋肉(大殿筋)を伸ばす一般的なストレッチでは、両手でひざを抱えて胸の方へと引き寄せて、大殿筋を伸ばします(図1)。太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を伸ばすストレッチでは、折り曲げた脚を腕の力で引き寄せることで、大腿四頭筋を引っ張ります(図2)。いずれも、腕の筋肉を使ってお尻や脚の筋肉を伸ばしています。


しかし、大殿筋も大腿四頭筋も体積が大きいため、腕の力だけでしっかり伸ばすのは難しく、腕に力を入れて引っ張るために疲れてしまい、リラックスすることができません。「筋肉を伸ばすときに大切なのは、全身の力を抜き、リラックスすること。筋力を使うストレッチでは、この脱力がうまくできず、どうしても力みが出てしまうのです」(比嘉さん)。筋肉に力を入れると、交感神経が刺激されてリラックスモードにならず、筋肉も伸びにくくなってしまいます。
また、体が硬い人は、ストレッチで伸ばすときにピリピリとした痛みを感じやすい傾向があります。「体が硬い人は特に、筋肉を強く引っ張って伸ばすことよりも、脱力して長い時間(30秒間)伸ばすことが重要です。しかし、腕などの力を使う一般的なストレッチでは、脱力ができず、伸ばした状態を長時間キープすることが難しいのです」と比嘉さんは話します。