冬の快適お風呂術 上手に入って快眠・血流アップ!
タイミングや湯温に気をつけて、お風呂を最大限に活用しよう
日経Gooday編集部
激しいスポーツの後は「交代浴」がおすすめ
お風呂は血行を促進し、疲労回復にもつながりますが、「スポーツ後の疲労を取るのが目的なら、熱めのお湯に長時間入ることには注意が必要ですね」とフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは話します。
これは、お湯の温度が高すぎると、交感神経が高ぶり、血圧と脈拍の上昇をもたらして、筋肉の硬直を招いてしまうため。東京都市大学教授で入浴を医学的に研究している早坂信哉さん(医学博士)によると、お勧めの湯温は40度程度。「40度程度のぬるめの湯に10~15分浸かると、副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスした状態を作り出すことができます」。すると、血圧は下がって筋肉も弛緩し、血管も広がって血行も良くなるので、運動後であれば、疲労物質の排出も促されるようになるのだそうです。
また、いつもよりも激しく体を動かす運動をした後は、「温浴と冷浴を繰り返す、交代浴を行ってもいいでしょう」と中野さん。「全身を40~45度の温浴で温めた後、下半身のみを15~20度のアイスバスで15~30秒間冷やします。そして再度、温浴で30~60秒ほど温めて1セットです。それを5~10セットほど繰り返すのです」(中野さん)。
交代浴は、血管の収縮と拡張を繰り返すことで、血液の循環を良くして疲労物質の排出を促す効果が期待できます。とはいえ自宅ではなかなか水風呂まで作れませんので、バケツに水を入れてふくらはぎまで入れる方法や、シャワーで水を掛ける方法でもOK。運動の直後だけでなく、仕事で目いっぱい動き回った1日の終わりにも、軽く交代浴をやると精神的にも肉体的に疲れを癒すことができるのでお勧めです。
スポーツ後の疲労回復とお風呂の上手な利用方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
脱衣所は温めてヒートショックを予防、飲酒後の入浴は危険!
このように、お風呂は「いいことずくめ」ではありますが、同時に注意しなければいけないのは、冬場の「ヒートショック」です。冬場、お風呂に入る時は、脱衣所をできるだけ温めてから入るようにしましょう。脱衣所と浴室や湯船との温度差が激しくなるほど、血圧が急変動する「ヒートショック」の危険が高まります。

さらに、お酒を飲んだ後の入浴は、血圧のアップダウンがより大きくなるため、非常に危険です。最悪の場合、お風呂場で倒れてそのまま溺死に至るケースもあるため、飲んだ後は水分をたっぷりとり、浴槽には入らずぬるめのシャワーにとどめるようにしましょう。
冬場の入浴におけるヒートショックの怖さ、お酒と血圧変動の関係について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください!
乾燥肌の人や、皮膚にかゆみがある人は、入りすぎにも注意が必要です。頻繁な入浴は皮膚を乾燥させるため、かゆみや肌荒れなどの肌トラブルの元となるからです。
なぜお風呂の入りすぎが皮膚を乾燥させるのか、また、洗い場でやってはいけないNG習慣などについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。