「お腹を凹ませたいなら、腹筋100回よりまず歩こう!」
パーソナルトレーナー・中野ジェームズ修一さん IN 「エコプロダクツ2014」
日経Gooday編集部
去る12月13日、日本経済新聞社が主催する「エコプロダクツ2014」(東京ビッグサイト)において行われた、「日経Gooday プレゼンツ 中野ジェームズ修一が熱血指導!『エコウォーキングでぽっこりお腹解消』」の特別セッション。五輪メダリストをはじめとするトップアスリートたちのコンディショニングをサポートする、超一流パーソナルトレーナーの中野ジェームズ修一さんを迎え、メタボ解消トークが繰り広げられました。また、イベント期間中は「日経Gooday」のプロモーションブースも出展。最新の体組成計で体の状態を測定するサービスが大好評でした。当日の模様の一部を読者のみなさんにお届けします!
お腹をへこませるのはとっても簡単!
「あれぇ、片脚だとフラフラするなぁ」「うぁ、これはキツぅ~い」
ステージの上からパーソナルトレーナーの中野ジェームズ修一さんが、会場の参加者に実践メソッドを兼ねた「筋力診断」を促すと、あちらこちらからため息にも似た声がもれてきた。
今回のスペシャルトークは、「エコウォーキングでぽっこりお腹解消」がテーマ。中野さんによる講演と実演を組み合わせながら、「ダイエット」「アンチエイジング」「メタボリックシンドローム」「ロコモティブシンドローム」「介護」そして「エコロジー」までと、実にさまざまな健康キーワードとともに熱血指導が行われた。冒頭の声は、このトークライブ終盤の一幕でのことだ。
当日は、編集長の米田による冒頭のあいさつの後、会場の拍手に迎えられ、パーソナルトレーナーの中野ジェームズ修一さんがステージに登場。副編集長の池田を相手に、熱を帯びたトークが交わされた。
中野 「お腹が出てきたことに悩んでいたり、へこませるのに苦労されていたりしませんか? へこませることがとても大変なイメージがあるようですが、実はものすごく簡単なんですよ。でも、なぜできないのか? それは、やり方が違っていたり、間違った考え方を身に付けていたりするからなのです」
池田 「多くの人が『太った』『お腹が出た』と思いながら、体重やウエストの数字で悩んでいます。原因は何なのでしょうか?」
中野 「体重を落とすために、食事量を調整したり、運動をがんばったりする人がいますが、重要なのは筋肉なのです。会場のみなさんは『基礎代謝』という言葉を聞いたことはありますか?」
(会場にいる参加者のほぼ全員が手を挙げる)
中野 「基礎代謝が増えると太りにく体質になりますが、そもそも基礎代謝を大きく担っている器官は筋肉です。そして、代謝量を後天的に増やすためには、筋肉を鍛えるしかないのです。ちなみに、脳や肝臓は鍛えても残念ながら大きく出来ません(笑)。で、多くの人は体重を落すためにカロリーを気にして食事を制限しますが、そうすると何が減るのか。筋肉量です。食事を減らせば細胞を作るために欠かせないたんぱく質の摂取量が減り、体のエネルギー源になる炭水化物も減る。体はそれを一生懸命に補おうとするために、筋肉を分解して糖を作る。この繰り返しで筋肉量が減ると、逆に太りやすくなってしまいます」
池田 「食事は減らし過ぎてはダメなのですね。すると運動しようとなるわけですが、例えば、本日のテーマにもなっているお腹をへこませようとして腹筋を鍛えても、あまり効果が出ません。これはどうしてなのでしょうか?」
中野 「実は、お腹をへこませるために必要なのは腹筋運動ではありません。お腹が出る原因は内臓脂肪、腹部の内容物が増えたからです。それを効率よく減らすには、エネルギー消費量を増やす考え方に改める必要があります。筋肉を鍛えながらエネルギー消費量も上げるには、ウォーキングやランニングといった有酸素運動が向く。腹筋を100回する時間があるならば、歩く方がよほどいいのです」
池田 「『お腹をへこませるなら腹筋運動』と思っている人は多いかと思うのですが」
中野 「腹筋は、筋肉量から見れば大きくありません。太もも、お尻、さらに背中など、大きな筋肉を鍛える方が、効率的に代謝は上がる。中でも脚は動かしやすいうえに、最も鍛えやすいのです。もしもお腹がへこまずに悩んでいるならば、ウォーキングで下半身を鍛えてください。すぐに効果が出るはずです」
池田 「お腹をへこませたいならば、下半身にある筋肉を動かして、鍛える! おもしろいですね」
中野 「そもそも基礎代謝は20歳から年1%ずつ減るといわれていますが、これは筋肉量に関係しているとされています。ですが、上半身の筋肉量は20歳の頃とあまり変わらないことが分かっています。では、どこが減るのか。下半身の筋肉量です。これが基礎代謝を下げる大きな原因なのです。さらに年齢と共に生活での活動量が減るにつれて、『サルコペニア』といわれる筋肉が減ってくる現象も起こり始めます。でも、70歳、80歳になっても筋肉量は増やせるのですよ」