カラダにいいといわれるワイン、その実力は?
抗酸化作用から腸活、殺菌効果、認知症予防まで、幅広い健康効果
Gooday編集部
白ワインには強い殺菌効果がある
白ワインにも健康効果はあるのか
最近は、赤ワインだけでなく、白ワインを楽しむ人も増えました。国税局によるアンケート調査でも、白ワインを好む人が増えているという結果が出ています。ワインが日常的な食卓に取り入れられるようになった結果、和食に合いやすい白がより好まれるようになっているという話も聞きます。
「健康にいいワイン」というと、赤ワインばかりに注目が集まりがちですが、実は白ワインにも優れた健康効果があります。
白ワインに含まれるポリフェノールは、赤ワインの半分から数分の1程度と少なくなっています。しかし、「赤ワインのポリフェノールに比べて分子量が小さいという特徴があります。このため、胃や腸内で吸収されやすく、抗酸化作用が早く現れます。量は少ないのですが性能がいいわけです」(佐藤教授)
白ワインならではの優れた健康効果もあります。大腸菌、サルモネラ菌などの食中毒菌に対する強い抗菌力です。佐藤教授が、白ワインでサルモネラ菌、大腸菌をそれぞれ培養したところ、サルモネラ菌は10分間、大腸菌は20分間で10万個の細菌が数個まで減少したそうです。佐藤教授によると、「赤ワインでも同じように殺菌効果がありますが、殺菌力は白ワインの方が強い」とのこと。
赤ワインはさまざまな面から健康にいい影響を及ぼす
健康効果の王様は、やっぱり赤ワイン?
寒い季節になってくると赤ワインが恋しくなります。グリルした肉などしっかりした味わいの料理と合わせるには赤ワインが最適です。先ほど、白ワインにも優れた健康効果があると紹介しましたが、大本命ともいえる赤ワインと比較するとどうなのでしょうか。
佐藤教授は、「殺菌効果など白ワインの方が優れた面もありますが、ワインの健康効果の中心にあるのはやはりポリフェノールです。ポリフェノールが多く含まれる赤ワインの方が健康効果が高いといえるでしょう」と言い切ります。
赤ワインのポリフェノールの含有量は1000~3000ppm程度と、白ワインと比較すると数倍以上になります。ブドウのポリフェノールは果皮と種子に多く含まれており、赤ワインは果皮や種子ごと発酵槽で発酵させるため、果皮や種子に含まれるポリフェノールが抽出されるのです。
1990年代には、赤ワインの健康効果に関する論文が相次いで発表されました。例えば、米カリフォルニア大学デービス校のエドウィン・フランケル博士らは、赤ワインに多く含まれるポリフェノールの抗酸化能力を検証しました。そこで「ワイン由来のポリフェノールが、ビタミンEの半分の濃度で、活性酸素によるLDLコレステロールの酸化を防いだ」と報告しています。
赤ワインの健康効果で、今注目されているのが、「レスベラトロール」というポリフェノールです。認知症などに効果があるとされているほか、寿命を延ばす働きがあるとされるサーチュイン遺伝子を活性化するという報告も出ています。このレスベラトロールは、フランス・ブルゴーニュ地方などで生産されているブドウの品種「ピノ・ノワール」に多く含まれています。