社内実施担当者必見! 「ストレスチェック」の疑問に答えます
中小企業における「ストレスチェック」のより良い運用と活用を考える(後編)
氏家裕子=ライター
2017年6月30日に開催された日経Goodayの特別セミナー「中小企業における『ストレスチェック』の運用と活用を考える」では、外部実施事務従事者として約70社のストレスチェックに関わったネオシステム社のEAPコンサルタント宮川浩一さんと、都内20社で高ストレス者面接に対応した産業医で精神科医の奥田弘美さんが登壇しました。
前編に続き、今回の後編では、質問コーナーの様子をご紹介します。セミナー参加者の悩みに答えました(進行役は日経Gooday編集長、寺西 芝)。
高ストレス者を見抜くため普段からするべきこと
今日はお集まりいただきありがとうございます。会場で「質問カード」をお配りしたところ、大変多くの質問をいただきました。では、さっそくご紹介いたします。まず最初の質問です。「面接を申し入れないけれどストレスを抱えている人を察知する有効な方法があれば教えてください」という質問ですがいかがでしょうか。
宮川さん そもそもは職場の中では管理監督者の方々による安全配慮義務の履行が求められていて、その中でいかに早期に部下の不調に気付くかはよく言われていることだと思います。日ごろの声掛けがあるか、相談しやすい体制を作っているか、コミュニケーションはどうなっているかがベースに必要です。管理職層に限らず、同僚の立場でもそうですが、気付いたらそのままにしないこと。そこに加えてストレスチェックをどのように活用するかという観点で考えていただくのがいいかと思います。
奥田さん 社員がコミュニケーションを取っているかどうか、そして、上司が見抜く目を持っているかが重要です。ラインケア教育(*1)とセルフケア教育は、毎年の同じような内容でも繰り返すことでストレスのIQを高めていきます。そうすれば、勤怠不良が発生している、あるいは、業務効率が落ちているところから声掛けが始まる気がいたします。
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