社内実施担当者必見! 「ストレスチェック」の疑問に答えます
中小企業における「ストレスチェック」のより良い運用と活用を考える(後編)
氏家裕子=ライター
次の質問に行きます。「集団分析の活用方法を具体的に知りたい」という質問なので、宮川さんお願いいたします。
宮川さん 組織単位や年齢、性別といった基本的な分析に加え、自社の状況を踏まえてもっと詳しく見てみたいという希望があれば、ストレスの分布状況や相関など様々な切り口で分析をかけていくといいと思います。例えば、高ストレス者予備軍とか、ストレス要因領域や反応領域など、どういう部分でストレスを感じている方が多いかとか、いろんな切り口があります。何万件というデータを抱えている企業さんは別ですが、数千件の規模でしたら、エクセルである程度の統計分析はできると思います。57項目の生データを素点換算して5段階で平均点化、そこまでのデータを持っていれば、いろんな属性を加えて分析するのは可能です。基本的なスキルである程度できますから、ぜひチャレンジしてほしいです。
次の質問です。「業種職種が異なりながら同一の調査票ですが、個別に独自調査票を使用したほうがいい例はありますか」ということですが。
宮川さん はたして、全部共通の57項目でいいのかという考え方もありますが、基本はどの業種でも使えるものです。パワハラを受けたなどの質問はよくないと、奥田先生からお話がありましたが、業種の特徴的な状況や置かれている環境で気になることがあるならば、追加質問を入れていくのもありかと思います。新職業性ストレス簡易調査票というのも公開されていて、80項目が簡易版で、通常版は120項目と質問項目が非常にたくさん用意されています。あまり多すぎると負担感を感じる方もいるので57項目では少なすぎると感じた場合は、80項目をベースにしてやってみるといいと思います。
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