改めて見直したい「緑茶」の健康効果
緑茶習慣は死亡リスクを低下させる! 肝臓や風邪への効果も
日経Gooday編集部

今年も新茶の季節になりました。今年の八十八夜は5月2日。ニュースなどで茶摘の風景をご覧になった方も多いでしょう。
お茶(緑茶)は世界に誇れる日本の文化の一つです。「この緑茶がダイエットに効く」「緑茶でうがいすると風邪の予防になる」――といったうれしい話を耳にする機会が増えました。今、緑茶の健康効果についての研究が国内外で進行しており、緑茶に秘められた健康パワーが次々と明らかになっています。
2015年5月には、緑茶を飲む習慣が死亡リスクを減らし、長寿につながるという研究結果が国立がん研究センターから発表され、マスコミなどで大きく取り上げられました。
がんや循環器疾患にかかっていなかった40~69歳の男女約9万人を、約19年間にわたって追跡調査した結果、緑茶を飲む量が多くなるほど、死亡率が下がることが明らかになっています。さらに、死因別で見ると、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患では緑茶を摂取する量が多くなるほど危険度が有意に低下しています。
緑茶の健康効果が次々に明らかになっている一方で、緑茶を飲む習慣は徐々に日本から失われつつあります。家庭でも、急須で丁寧にお茶をいれる習慣が減っています。日本での緑茶の生産量と、国内消費量も減少傾向にあります。しかし、数々の健康効果があるうえに、値段が安く、摂取しやすい緑茶を利用しない手はありません。日本人だからこそ、緑茶を積極的に摂取して、健康に生かしていきたいところです。そこで今回の記事では、最新の「緑茶の健康効果」と摂取のポイントをまとめました。
ダイエットから腸活まで! 「カテキン」のすごい効果
やっぱりすごかった! 緑茶の健康効果
緑茶の健康効果というと、まず挙がるのが「カテキン」です。カテキンは、植物中に数千種類あるといわれる「ポリフェノール」の一種で、緑茶の渋みの主成分。ダイエットや、血圧、血糖値の抑制から、抗菌、抗ウイルス効果(インフルエンザ予防)にいたるまで、さまざまな効果があるといわれています。

大妻女子大学名誉教授の大森正司さんによると、カテキンのさまざま効果の秘密は、カテキンの2つの特徴によるものだそうです。1つは吸着性の強さ。これにより、虫歯菌にくっつき増殖を抑えたり、ウイルスの体内への侵入を防いだりするのです。腸内では悪玉菌に付着してやっつけるため、腸活効果も期待できます。2つ目は、体内で生まれる活性酸素を消去する抗酸化機能です。ストレスや紫外線、疲労などによって発生した活性酸素を消去する作用が期待できます。
大森さんによると、カテキンの血中濃度は、緑茶を飲んだ後、およそ1~2時間でピークになるそうです。このため、緑茶を机において、ちょこちょこと飲むのがいいそうです。
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