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早期検診でがんや糖尿病、認知症に先制パンチを!

「生活習慣から健康寿命を科学する」と題して京都で講演会

 竹林篤実=ライター

病気に「先制攻撃」を!

 続いての講演では、京都大学医学部附属病院 先制医療・生活習慣病研究センター特定教授・福島光夫氏が登壇。

京都大学医学部附属病院 先制医療・生活習慣病研究センター特定教授・福島光夫氏
[画像のクリックで拡大表示]

 「これから、日本の人口構成は、難しい局面を迎えることになります」と言って、福島さんは年代別の人口構成図を見せて警告する。

 「1960年にはきれいなピラミッド形をしていたのが、2000年には騎馬戦形に変化、若い人が7人ぐらいで1人の高齢者を支えています。これが2050年になると「おんぶ形、1人で1人の高齢者を支えなければなりません」(福島さん)。

 あくまでも平均の話だから、実際には1人で2人の介護老人を支えるケースも出てくる。まともに仕事をすることもできない。そんな事態を防ぐ手段として注目されているのが『先制医療』。まだ認知度は低いけれども、昨年の医学会総会でも重要なテーマに設定されていた。

 「先制とは、先制攻撃のこと。わかりやすく言えば、病気に先制攻撃を加えるイメージです」(福島さん)

 福島さんは先制医療と予防医療の違いについてこのように解説する。いわゆる予防医療と異なるのは、「個別化」されていること。通常、糖尿病の予防のためには、食事に気をつけましょうとか、体を動かしましょうと言われる。大腸がんの予防なら食物繊維を多くとる。病気ひとつひとつにそれぞれ予防法があり、どの病気にもなりたくないのは誰もが同じ。だからといって、食事制限をして運動を頑張り、食物繊維をとる、禁酒~節酒、禁煙…などと予防策をすべて行うのは大変だ。

 けれども、もし、あなたが特に糖尿病になりやすいことが分かっていたらどうだろうか。例えば遺伝子検査をして、糖尿病になりやすい遺伝子を持っていて、将来発症する危険性が、普通の人より6倍高いと言われたら。少なくとも糖尿病には注意しようと考えるはずだ。

先制医療と予防医療の違い(図表提供:福島光夫氏)
[画像のクリックで拡大表示]

 「生活習慣病については、まずリスクを持っているかどうかがポイントです。遺伝的な要因を持っている人が、病気になりやすい食事をしたり、運動不足だったりすると、いずれ病気を発症する確率が高まります。この場合、症状は出ないけれども、体の中では病態が進行しています。その段階で何らかの医療行為を施すことで、発症を防いだり、発症する時期を可能な限り遅らせるのが先制医療の考え方です」(福島さん)

 先制医療は、認知症にも適用できるという。認知症は脳卒中と並び、高齢者を要介護に陥らせる2大要因。歳を取ることで物忘れが多くなるぐらいは老化現象で、病気ではない。けれども、例えば今日の朝ごはんを食べたこと自体を忘れてしまうというなら認知症による物忘れの可能性が出て、れっきとした病気なのだ。

 認知症はアルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型があり、最も多いのはアルツハイマー型で、全体の5割程度。糖尿病の人は、そうでない人に比べて、1.3倍から2.2倍ぐらいアルツハイマー型認知症の発症率が高まるとのこと。同じく脳血管性の認知症になる確率も、3倍程度にまで高くなるという。

 「アルツハイマー型の認知症が重症化するまでには、10年から20年ぐらいの先行期間があります。ここでも大切なのが先制医療です。タバコをやめる、酒を控える、適度に体を動かすなどの予防対策を施すことで、発症しないようにしたり、発症時期を遅らせることができます」と福島さんは解説する。

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