「ストレスチェック」はどう役立てるかを考えながら進める!
中小企業における「ストレスチェック」のより良い運用と活用を考える(前編)
氏家裕子=ライター
ストレスチェックはメンタル不調者の早期発見に有効
以上のことを受けて、ストレスチェックはメンタル不調者の早期発見、および早期対応には有効であると実感されたという奥田さん。注意点としては、ストレスチェック後の申し出期間に適切な期間を設けること。長期にわたる申し出期間があった場合、高ストレス者の状況が変わり、悪化した例も複数あったといいます。また、医師への情報提供が有効な面接につながること、どんな面接結果だとしても人事担当者が一度ヒアリングを行い、事後措置を検討していく必要性を感じたそうです。
「まずは、医師の面接の後に高ストレス者と人事担当者が話し合いをして記録を残していくことが大切だと思います。高ストレスに、さらに別のストレスが重なって、休職になる方もいます。本人の意見も聞きながら事後措置を検討されるのが必要だと思いました。以上、私がストレスチェックに関わった感想と考察をご紹介しました。みなさんの会社でのストレスチェックに少しでもご活用いただけたら幸いです」(奥田さん)
後編では、宮川さんと奥田さんのお話を踏まえて、セミナー参加者からの質問コーナーを開催しました。ストレスチェックに対する企業側の具体的な悩みを解決していきます。
(写真:稲垣純也)
精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家

ネオシステム EAP事業部長/国際EAPコンサルタント(CEAP)
