イライラ、疲れ、肩こり、頭痛…季節の変わり目、不調を癒す漢方薬
好評連載「幸福薬局・幸井俊高の しあわせ漢方」まとめ
【ダイエット】 “太りにくい体"に変えられる漢方薬とは?

ダイエットは古今東西、老若男女の関心の的です。食べ物が豊富にあり、食べたいものが簡単に手に入る環境では、油断をすればすぐに体重計の針がプラス方向に動きます。
少食でダイエットするといった考え方を改めて、漢方薬で「太りにくい体質」に変身するのも一法かもしれません。今のうちに体質を調えておけば、将来、生活習慣病になるリスクも減るでしょう。
ダイエットすることを漢方で「減肥(げんぴ)」といいます。文字どおり、余分な脂肪を減らすということです。中国でも、古くから減肥への関心は高いようです。
中年期を過ぎると、たくさん食べているわけではないのに体重が減らない、という人が増えてきます。食生活に気を配り、適度に運動することは基本ですが、それでもなかなかやせない人もいます。そこには、体質が関係しています。
漢方では、体内に過剰にたまっている水分や湿気、脂肪などを「痰湿(たんしつ)」といいます。痰湿がたまりやすい体質も「痰湿」証と呼びます。むくみを起こす過剰な水分や、皮下脂肪や内臓脂肪の余分な脂肪は、みな痰湿です。これが体内で増加すると、体重が増えます。それ以外にも、ポリープや腫瘤、できもの、女性では子宮筋腫や卵巣嚢腫(のうしゅ)ができやすくなったりもします。
痰湿は、体に必要とされる以上の飲食や、運動不足によって体内に蓄積されますが、人体の機能的単位である五臓六腑(*)の機能失調によっても生じます。
漢方では、痰湿(水分や湿気、脂肪など)を直接的に除去したり、五臓六腑の機能の全体バランスを調えることで「痰湿」証を改善したりします。
(*)五臓六腑とは…からだの機能を「肝」「心」「脾」「肺」「腎」という5つに分けて、そのバランスを調えることにより、病気を治療します。主に「肝」は自律神経系、「心」は循環器系、「脾」は消化器系、「肺」は呼吸器系、「腎」は内分泌系や生殖器系の機能が当てはまります。
痰湿(たんしつ)→平胃散(へいいさん)など
- 体が重だるい
- 胃の疲れがある
- べっとりと付着する舌苔(ぜったい)がある
肝鬱気滞(かんうつきたい)→四逆散(しぎゃくさん)など
- 社会人になってから太りだした
- 強いストレスを感じている
- 残便感がある
下線は漢方薬の名前
詳しい解説は、
「ダイエットに効く漢方」をご覧ください。
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