イライラ、疲れ、肩こり、頭痛…季節の変わり目、不調を癒す漢方薬
好評連載「幸福薬局・幸井俊高の しあわせ漢方」まとめ
【イライラ】 「熱邪」を鎮める漢方薬でイライラしにくい体質に!

漢方では、イライラは「熱邪(ねつじゃ)」の仕業である、ととらえています。「熱邪」は「病邪」(病気の原因)の一つで、自然界の火熱(かねつ)が引き起こす現象に似た症状が現れます。この熱邪が心神をかき乱すと、イライラが生じます。
熱邪には、実熱(じつねつ)と虚熱(きょねつ)があります。熱と水(陰液)のバランスが崩れ、熱の勢いが盛んになって生じる熱邪が「実熱」、逆に陰液の消耗により相対的に熱の勢いが強くなる熱邪が「虚熱」です。
実熱は、炎症や自律神経系の興奮、各種機能の亢進(こうしん:通常の状態より高まること)、充血などによって生じます。虚熱は、慢性疾患や、ホルモンバランスの乱れ、中枢神経系の抑制機能の低下などにより、陰液が不足して相対的に熱邪が勢いを増すことで生じます。実熱の場合は熱邪を冷まし、虚熱の場合は陰液を補うことによって熱と水のバランスを調え、病気や体調不良を治します。
「陰虚火旺(いんきょかおう)」→知柏地黄丸(ちばくじおうがん)など
- 寝汗
- のぼせ、ほてり
- 舌苔(ぜったい)がほとんどない
「心火(しんか)」→黄連解毒湯(おうれんげどくとう)など
- 焦りを感じやすい
- 動悸がする
- 不眠
肝火(かんか)→竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)など
- 怒りっぽい
- 憂うつ
- ヒステリックを起こしやすい
下線は漢方薬の名前
詳しい解説は、
「イライラに効く漢方」をご覧ください。
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