イライラ、疲れ、肩こり、頭痛…季節の変わり目、不調を癒す漢方薬
好評連載「幸福薬局・幸井俊高の しあわせ漢方」まとめ
【肩こり・首こり】 漢方薬で体の内側から筋肉のこりをほぐす

人の頭は5kgほどの重さがあります。座っているときや立っているときは、それが頸椎(けいつい)と呼ばれる一本の首の骨の上に乗っている状態です。このとき頭がぐらつかないように、首の骨の周りには頭部を支える筋肉が発達しています。
5kgといえば、ちょうどスイカ1個と同じくらいの重さです。これを首の骨と筋肉とで支え続ける訳ですから、それはちょっとした負担になります。
首を支える主な筋肉は、後頭部から下に広がり、肩甲骨や鎖骨にまで及ぶ僧帽筋(そうぼうきん)です。カトリック修道僧のフード(帽子)と似ているので、この名がついたそうです。
頭部の重心がちょうど背骨(脊椎:せきつい)の真上にある状態なら、僧帽筋などにかかる負担は、さほど大きくありません。しかし少しでも前屈みになると、頭が前に倒れていかないように維持するための力が僧帽筋などに求められます。
それは、スイカを上から片手でわしづかみにし、バスケットボール選手のようにぐっと持ち上げるだけの力に匹敵します。この姿勢を続けると、当然のこととして筋肉が疲れます。その結果、肩こりや首の凝りが生じます。
漢方薬は、こりを一時的に解消するのではなく、筋肉が緊張して硬いままになっている「肩こり体質」を改善していきます。体の外からではなく、体の内側から筋肉をほぐし、筋肉をリラックスさせる効果が期待できます。
肝鬱気滞(かんうつきたい)→四逆散(しぎゃくさん)
- 憂うつになる時がある
- ため息がよく出る
- 便秘と下痢を繰り返す
肝火(かんか)→加味逍遥散(かみしょうようさん)など
- 頭痛をよく起こす
- 耳鳴りがよく起きる
- 目が充血しやすい
血瘀(けつお)→桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など
- 顔色がどす黒い
- 唇が紫色
- 冷えのぼせがある
下線は漢方薬の名前
詳しい解説は、
「肩こり・首こりに効く漢方」をご覧ください。
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