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Gooday 通信

がん治療を阻む4つの誤解

偏った情報に惑わされ、正しい判断ができなくなることを避けるには

4. 「〇〇を食べればがんは防げる」は大概が“まゆつば”

 「先生、がんにならないためには、どうしたらいいのでしょうか」――。

 検査で「異常なし」との結果を知ったこうした患者さんは、安堵の表情を浮かべた後に、異口同音にこう口にするそうです。そんなとき森山先生は「絶対にがんにならない方法はありません」と伝えています。ただし、「がんになる可能性は誰にでもありますが、統計的に見て、がんになるリスクをある程度下げられる方法ならあります」とも付け加えるそうです。

 国立がん研究センター研究所では、「がんを防ぐための新12か条」を公表しています(下表参照)。私たちが普段の生活で気を付けられる「食事」「嗜好品」「運動」「感染予防」への取り組みなど、まるで生活習慣病を予防するかのような方法が推奨されています。

がんを防ぐための新12か条
 1条 たばこは吸わない
 2条 他人のたばこの煙をできるだけ避ける
 3条 お酒はほどほどに
 4条 バランスのとれた食生活を
 5条 塩辛い食品は控えめに
 6条 野菜や果物は豊富に
 7条 適度に運動
 8条 適切な体重維持
 9条 ウイルスや細菌の感染予防と治療
10条 定期的ながん検診を
11条 身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
12条 正しいがん情報でがんを知ることから
出典: 国立がん研究センター研究所

 世の中には、「これを食べるとがんになる」「あれを食べればがんは防げる」といった情報が流布することがあります。しかし、これらのほとんどは、医学的なエビデンスが乏しいと森山先生は話します。「唯一、『生野菜を摂る』『塩分を控える』といった食習慣が、がんのリスクを下げることは研究データで証明されていますが、それ以外はわからないことばかりなのが実情です」(森山先生)

 では、どうしてバランスのとれた食事を推奨しているのでしょうか。それは「日常的に口にしている食べ物の中に発がん性物質が含まれている可能性があり、そうした特定の食材を過剰に摂取しないよう、様々なものを食べながらリスクを分散させることを目的としているのです」(森山先生)。これら新12カ条を心がけていたとしても、「がんにはならない」とは言えません。その一方で、どれだけ不摂生を続けていたとしても、がんにならない人もいます。現時点では「リスクが高くなること」を極力排除していくしか手立てはありません。

 このほか、「がんになるリスクを下げる生活習慣とその誤解」については、以下の記事をご覧ください。

「絶対にがんにならない方法はありません」

 ここでは、森山紀之の「拝啓 これからがんになる皆様へ」から、がんの予防や治療で知っておくべき「誤解」や「落とし穴」についての記事をご紹介しました。このほかの有料会員向けの記事については「有料会員向け記事のご紹介」をご覧ください。

森山紀之(もりやまのりゆき)
ミッドタウンクリニック 理事
森山紀之(もりやまのりゆき) 1947年、和歌山県生まれ。千葉大学医学部卒。1976年に国立がんセンター放射線診断部に入局。同センターのがん予防・検診研究センター長を経て、現職。ヘリカルスキャンX線CT装置の開発に携わり、早期がんの発見に貢献。2005年に高松宮妃癌研究基金学術賞、2007年に朝日がん大賞を受賞。主な著書に「がんはどこまで治せるのか」(徳間書店)。 東京ミッドタウン先端医療研究所(http://www.midtown-amc.jp)

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