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7大がんの基礎知識

胃がん、肺がん、大腸がんなど、日本人に多いがん・まとめ

子宮がん:HPV感染が主な原因の子宮頸がん、女性ホルモンの乱れが一因の子宮体がん

 子宮がんには「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種類があり、同じ子宮がんでも性質がまったく異なります。

子宮頸がん

 子宮頸がんは20歳代後半から40歳代後半の女性が罹患しやすいがんですが、早期に発見すれば治癒しやすいのが特徴です。主な原因は性交で感染する「ヒトパピローマウイルス(HPV : Human Papillomavirus )」と考えられています。子宮頸がんは若い世代で罹患率が増加しているのに対し、子宮体がんはほとんどの世代で増加傾向が見られます。

 HPVに感染しても、すべての人が子宮頸がんを発症するわけではありません。HPVの約90%は感染後、免疫機能によって自然に排除されていきます。何らかの理由でHPVが自然に排除されずに感染が持続した場合、その約1割に子宮頸部の異形成(まだがんではない前がん状態)が起こります。

 子宮頸がんの初期の段階では、自覚症状がほとんどありません。そのため、早期発見には、子宮がん検診を定期的に受けることが重要です。また、喫煙がHPVの自然排除を妨げることが報告されています。禁煙が子宮頸がんの予防にもつながるのです。

 早期に発見し、適切な治療を行えば、ほぼ根治できるようになってきています。「日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会第55回治療年報(2007年治療開始例)」のデータによれば、ステージ別の5年生存率(がんの診断から5年生存している人の割合)は、I期で91.8%(IA1期では99.2%)、II期で71.5%、一方でIII期は53.0%、IV期は23.7%となっています。

子宮体がん

 子宮体がんを発症する原因はまだ明らかにはなっていませんが、女性ホルモンのバランスの乱れが関係するものが多いと考えられています。早期から不正出血などの自覚症状が見られるため、放置せずに婦人科を受診すれば、早期発見・治療により治癒しやすい特徴があります。

 一部の子宮体がんには、遺伝によるものもあります。近親者に子宮体がんのほか、大腸がんや乳がん、泌尿器系のがんなどを経験した人がいる場合は、自身も注意しておくといいでしょう。

 子宮体がんでは、初期から自覚症状が見られることがほとんどです。最も多いのが不正出血(月経時以外の出血)で、子宮体がんの患者さんの約90%に見られます。おりものの異常(茶褐色などの色の変化や量の増加、悪臭を伴うなど)、下腹部の痛み、性交時痛や性交後出血などが見られることもあります。

 月経不順があるなど女性ホルモンのバランスが悪い人は、定期的に婦人科でチェックするほか、不正出血があった時には必ず婦人科を受診するようにすれば、早期発見・治療につながり、治癒率も高まります。

  子宮体がんは、初期から不正出血などの自覚症状が見られることがほとんどのため、見逃さずに受診し、適切な治療を行えば、ほぼ根治できることが多い疾患です。「日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会第55回治癒年報」のデータ(2007年治療開始例)によれば、ステージ別の5年生存率(がんの診断から5年生存している人の割合)は、I期で95.3%、II期で89.8%、III期で75.6%、IV期で29.1%となっています。

 詳しい診断方法や治療法については、
 「治療成績が良い子宮頸がん、問題は検診受診率の低さ」(子宮頸がん)
 「40代に増える子宮体がん、晩婚・晩産・少子化も影響」(子宮体がん)をご覧ください。

お話を聞いたのは…
宮城悦子(みやぎ えつこ)先生
横浜市立大学大学院医学研究科がん総合医科学教授
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