生薬の「性質」と「味」
体に合った漢方薬や生薬の利用は、治療のためばかりでなく、病気を予防し、健康や美しさを保つためにも有効である。抵抗力や機能を高める、体内の余分なものを取り除く、五臓のバランスを整えるなどの目的に応じて選ぶことが大切だ。
漢方薬や生薬を理解する上で、気・血・水や五臓以外に知っておきたいのが、生薬や食材がもつ性質のこと。中医学では、生薬や食材を、五つの性と、五味で分類している。
五つの性のうち、温性や熱性の生薬には、体を温める作用のほか、循環促進、発汗、興奮、代謝を活発にする働きなどがある。寒性や涼性の生薬には、体の熱を取る作用のほか、鎮静、解毒、通便、利尿作用などがある。どちらにも偏らないものは「平性」と呼ばれる。
(出典:『サプリメント事典 第4版』日経BP社 日経ヘルス編 2011年)