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ワクチンって効くの? インフルエンザの素朴な疑問6問6答

今シーズンのインフルエンザの傾向から、かかった時の対策まで

 武田京子=医療ライター

Q4. タミフルって大丈夫?

 インフルエンザ治療で使われる抗インフルエンザ薬のうち、内服薬であるタミフル(一般名はオセルタミビル)については、「未成年が服用して異常行動が現れた」とする報道があり、10歳以上の未成年者については原則として使用を差し控えるよう、添付文書に記載されている。このため、10代のインフルエンザ患者の治療には、リレンザかイナビルが用いられている。

 だが菅谷先生は、「現在では、異常行動はインフルエンザ自体によるものと考えられています。実際、異常行動は、抗インフルエンザ薬を飲んでいない例でも多数報告されています。またタミフル以外の抗インフルエンザ薬、吸入のイナビルやリレンザの治療例でも報告されています」と話す。

 「したがって、薬剤服用の有無にかかわらず、目つきが定まらなくなったり、おかしなことをぶつぶつ言ったり、話しかけても答えなくなったりしたら、気を付けましょう。インフルエンザが発病してから48時間は異常行動には注意が必要です。小さなお子さんではあまり心配はいりませんが、10代、特に中学生では、まれに飛び降り等の事故につながることがあるので、兆候が見られたら警戒してください」(菅谷先生)

Q5. 高齢者はどうしたらいいの?

 高齢者はもともと抵抗力が弱い人が多く、インフルエンザワクチンの効果も低い。さらに、一度発症すると重症になりやすいので、健康な成人とは違う対処が必要だ。

 その一つが、肺炎球菌ワクチンの接種だ。「インフルエンザにかかると、その後に肺炎球菌による肺炎を起こしやすくなります。肺炎の発症や重症化を防ぐため、インフルエンザワクチンに加えて肺炎球菌ワクチンを未接種の人は接種してほしい」と菅谷先生。

 一方、同居する人がインフルエンザに感染した場合、高齢者では、抗インフルエンザ薬の予防投与ができるケースもある。その対象となるのは、65歳以上の高齢者や、糖尿病や慢性心疾患、腎機能障害、慢性呼吸器疾患などの既往症があり、インフルエンザに感染した際に重症になるリスクが高い人だ。ただし、“予防”であるため、保険はきかず自由診療となる。

Q6. 症状が治まったら出勤しても大丈夫?

 インフルエンザを発症すると、数日は、高熱や倦怠感、関節痛などの全身症状が現れ、その後、咳や鼻水などの症状が1週間続いた後、症状が落ちついて治る。本人が動けないほどつらいのは、最初の高熱や倦怠感がある時期だ。

 「抗インフルエンザ薬による治療を受ければ、発熱期間が短くなり、より早く症状は治まります。しかし、熱が下がったからといって、すぐに体内のウイルスがいなくなるわけではありません。発症後、数日間はウイルスを体外に出しており、周囲の人に感染させる恐れがあります。すぐに仕事に戻りたい思いはあるかもしれませんが、熱が下がってからも自宅で療養する必要があります。少なくとも、抗インフルエンザ薬を飲むか吸入している5日間は自宅療養が必要です。あるいは、解熱してから、その日を含めて3日間は静養していてください」と菅谷先生は注意を促す。

 周囲の人のことも考え、休む、休ませることが大切だ。

菅谷憲夫(すがや のりお)さん
神奈川県警友会けいゆう病院小児科、感染制御、慶應義塾大学医学部客員教授
菅谷憲夫(すがや のりお)さん 1972年慶應義塾大学医学部卒業。同大学小児科、日本鋼管病院小児科長を経て、2002年神奈川県警友会けいゆう病院小児科部長。日本小児科学会専門医、日本感染症学会感染症専門医、日本感染症学会指導医、インフェクション・コントロール・ドクター(ICD)。WHO新型インフルエンザ薬物治療ガイドライン委員を務めた。

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