日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > ダイエット・食生活  > トピックス  > 知っていますか? 自分のカフェインの「安全量」  > 3ページ
印刷

トピックス

知っていますか? 自分のカフェインの「安全量」

カフェイン感受性が高い人は少ない量でも中毒の恐れ

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 いかがでしょうか。表1と表2を参考にすると、体重が40kg程度の痩せた女性では、缶コーヒー1本、またはエナジードリンク1本でも、安全な1回量を超えてしまうことが分かります。鎮痛薬などの市販薬を買うときは、ノンカフェインの商品を選んだほうが良いかも知れません。また、薬局で購入できる眠気予防薬は、カフェイン含有量が群を抜いて高いことに注意が必要です。

 カフェインの半減期(*1)は4~6時間です。安全な1回量以下でも、短時間のうちに繰り返し摂取すると、体内にあるカフェインが代謝・排泄される前に新たに取り込まれることになるので、血中濃度が上昇することに注意してください。

カフェイン感受性が高い人は“安全量”でも不眠や頭痛が出現

 さらに注意してほしいのは、個人差です。表1はあくまで参照値で、同じ体格なら安全なカフェイン量も同じとは限りません。なぜなら、カフェイン感受性は人ごとに異なるからです。もし、表1に記載されているより少ない量を摂取した後に不快な症状を感じたら、あなたはカフェイン感受性が高いと言えます。健康な成人には有益な量のカフェインでも、感受性の高い人には不眠や頭痛などの害をもたらします(カフェイン不耐症)。

 カフェイン感受性に影響を与える要因としては、年齢、病歴、医薬品の使用、心身の健康状態などが知られており、子どもはカフェインに対する感受性が高く、女性より男性の方が感受性が高い可能性も示されています。さらに近年、いくつかの遺伝子がカフェイン感受性レベルに関係していることが明らかになりました。

 たとえば、日本人においては、4人に1人が、カフェイン150mgを摂取した後に、不安感が高まる等の害が現れる可能性が高い遺伝子を持っていることが示唆されています(筑波大学技術報告. 2011;31:33-38.)。

 また、米国人12万人を対象に、カフェインを摂取したときの反応と摂取量に関係する遺伝子を探した研究では、カフェインの代謝にかかわる遺伝子など、計6個の関与が明らかになりました(Molecular Psychiatry. 2015;20:647-656.)。 

非常にまれだがカフェインアレルギーも起こりうる

 最後に、極めてまれではありますが、カフェインに対するアレルギーの患者が日本で報告されています。カフェイン摂取後にアナフィラキシー(*2)を経験したそうです(Asia Pac Allergy. 2015;5:55-56.)。アレルギーになったら、ごく微量の摂取でも症状が起こる危険性があります。

 すでに日常生活に無くてはならないものになっているカフェインですが、安全とされている量が意外に少ないことに驚いたかと思います。取りすぎは健康被害をもたらすことを忘れずに、その利益を上手に引き出すことが大切です。

*1 体内で代謝されることにより、血中濃度が半分に低下するまでに要する時間
*2 蕁麻疹、皮膚のかゆみなどの皮膚症状、咳、ゼーゼー、くしゃみ、息苦しさなどの呼吸器症状、目のかゆみ、唇の腫れなどの粘膜症状、血圧低下などの循環器症状が組み合わさって出現する

●参考文献
食品安全委員会 ファクトシート 食品中のカフェイン

この記事は、2015年12月29日に公開した記事をアップデートしたものです。

先頭へ

前へ

3/3 page

日経グッデイ春割キャンペーン

RELATED ARTICLES関連する記事

ダイエット・食生活カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 老化を進める「糖化」から身を守る対策とは?

    “老けにくい”体にしたいというのは誰もが共通に思うこと。その老化の原因の1つとして最近注目されているのが「糖化」だ。この糖化、見た目の老化はもちろん、体内の血管や内臓、骨、関節などの機能低下にも密接に関わっているという。糖化リスクを遠ざけ、老化を遅らせるためには何を実践すればいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、糖化の健康への影響から、その対策までを一挙に紹介しよう。

  • 歩くだけではダメ? 失敗しない運動習慣の作り方

    「ひと駅前で降りて歩く」「テレビを見ながら軽い筋トレをする」…これをもって「運動習慣がある」と思っている人は意外と多い。しかし、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは「強度の低い運動、筋肉がつかないような運動は、いくら続けても十分な成果が得られません」と断言する。では、健康診断で引っかかった数値を改善したり、カロリーを消費して減量したり、病気を予防するといった目的を達成するためには、どのような運動をすればいいのだろうか?

  • 認知症のリスクを下げる食事のポイントは?

    近年の研究から、認知症リスクは生活習慣によって大きく変わることが分かってきた。中でも重要なのが食生活だ。米国の最新食事法をきちんと実践した人は、認知症の発症リスクが最大53%低かったという驚きの結果も出ている。では、具体的にどのような食生活にすればいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、最新研究に基づいた「認知症を遠ざける食事」のポイントを紹介しよう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

人生100年時代プロジェクト 日経Goodayマイドクター申し込み

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.