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治療中に「痛み止めを自己判断で中止する」はNG

薬に対する不安や疑問は医師や薬剤師に相談を

 鈴木 英子=ニューズフロント

 ファイザーは、長く続く痛みを抱える人の治療薬の服用実態について調査した結果を発表した。それによると、処方薬に対する不安や思い込みから、患者の6割以上が自分の判断で薬を飲むのをやめてしまうことがあるという。

 調査(調査期間:2015年11月4日~9日)は、週2回以上の頻度で痛みが起こり、かつ1カ月以上痛みが続いている状態を「長く続く痛み」と定義し、該当する症状を持つ全国の20歳以上の男女9400人を対象にアンケートを行った。

自己判断で痛み止めを止めてしまう人は6割超

 回答者のうち、医師が処方した痛み止め(飲み薬)を服用した経験がある4457人に、治療の途中でも自己判断で痛み止め薬の服用を中断したことがあるか尋ねたところ、62.1%が「ある」と答えた(図1)。

図1◎ 治療の途中でも、自分の判断で薬の服用を中断することがあるか
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 中断した理由を聞くと、「痛みが完全になくなったから」は1割(10.0%)にとどまり、「痛みが軽減したから」(26.9%)、「症状が改善しなかったように感じたから」(20.0%)、「薬の効果が薄れてきたと感じたから」(5.3%)など、痛みが残っているにもかかわらず服用を中断した人が多く見られた。

痛み止めは使い続けると効かなくなる!?

 痛み止め薬の作用に関する考えを尋ねると、「痛み止めの薬は飲み続けると効かなくなる」(71.4%)、「医師から薬の量を増やすことを提案されたら、薬が効きにくくなったのだと考える」(62.0%)、「医師から薬の種類を増やすことを提案されたら、症状が悪化したのだと考える」(63.4%)など、思い込みや誤った解釈をしている人が少なくない(図2、図3、図4)。

図2◎ 痛み止めの薬は飲み続けると効かなくなると思うか
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図3◎ 医師から薬の量を増やすことを提案されたら、薬が効きにくくなったのだと考えるか
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図4◎ 医師から薬の種類を増やすことを提案されたら、症状が悪化したのだと考えるか
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 また、回答者全員のうち、痛み止め薬に関して調剤薬局の薬剤師に相談した経験がある人は38.4%にとどまり、長く続く痛みを抱えていても6割以上が痛み止め薬の服用について薬剤師に相談経験がないことが分かった(図5)。

図5◎ 調剤薬局の薬剤師に痛み止め薬に関して相談したことがあるか
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 日本大学医学部麻酔科学系麻酔科学分野診療教授の加藤実さんは、痛みの種類、強さ、痛み止め薬の効き方は患者により様々なため、必要とされる薬の種類も量も患者により異なることを強調し、痛み止め薬を処方する際に医師が患者に詳細な情報を提供することに加え、患者は痛みや副作用について感じたことをそのまま医師に伝えることも重要だと説いている。

 また帝京平成大学薬学部薬学科教授の井手口直子さんは、薬のことを医師に聞きづらいなど、薬について不安や疑問がある場合には、薬剤師に気軽に相談してほしいと述べている。