追悼◆2015年に病気で亡くなった著名人
川島なお美さん、愛川欽也さん、今井雅之さん、岩田聡さんなど8名の方々
黒木奈々さん(ニュースキャスター)
死因:胃がん
国際派のキャスター、闘病中に報道現場への復帰を果たした黒木さん
主な活動
子どもの頃からアナウンサーを目指していた黒木奈々さん。鹿児島県立鶴丸高等学校を経て、上智大学外国語学部フランス語学科へ入学。2006年4月大阪の毎日放送の報道記者職の試験を勧められて合格を手にしました。しかし、報道記者で活動していてもアナウンサーの道をあきらめきれず、その後、毎日放送の先輩の勧めで、TBS『ニュースバード』のキャスターオーディションを受けて合格し、晴れてフリーのアナウンサーとなることができました。
2011年4月NHK BS1の『ワールドWaveトゥナイト』のサブキャスターに。2014年3月にはNHK総合テレビ『国際報道2014』のメインキャスターに就任するなど活躍されていました。その年の7月に急性胃潰瘍で倒れ緊急入院。その後胃がんを患っていることを公表、抗がん剤治療をしながら2015年1月4日、『国際報道2015』特別版で1日限定ではありましたが、報道現場への復帰を果たしました。
同年3月、闘病を綴った本『未来のことは未来の私にまかせよう 31歳で胃がんになったニュースキャスター』(文藝春秋)を出版。その約半年後、帰らぬ人となってしまいました。
国際派で知的美人の雰囲気でニュースバード時代から人気アナウンサーだった黒木奈々さんの安らかなご永眠をお祈りいたします。
2011年の男女計の罹患(*)数では第1位だった胃がんは、2015年予測では罹患数(13万3000例)、死亡数(4万9400人)ともに第3位となり、順位を下げています。
胃がんの発生には、ヘリコバクター・ピロリ菌(以下、ピロリ菌)の感染が大きく関与しています。ピロリ菌に感染した胃は炎症を起こし、それが長期間にわたって継続すると慢性胃炎となって、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎を引き起こし、萎縮した粘膜から胃がんが発生するといわれています。また、塩分の多い食べ物も、胃がんの発生に影響することが分かっています。ピロリ菌の感染は高齢者に多いとされています。
*罹患とはこの場合、がんと診断されること。
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