追悼◆2015年に病気で亡くなった著名人
川島なお美さん、愛川欽也さん、今井雅之さん、岩田聡さんなど8名の方々
今井雅之さん(俳優)
死因:大腸がん
元自衛官、肉体を追い込んだ気迫の演技で魅了した今井さん

主な活動
兵庫県生まれ。陸上自衛隊を経て俳優の道に進み、テレビ、映画、舞台などで活躍した今井雅之さん。代表作の主演舞台『THE WINDS OF GOD』では原作・脚本も手がけ、1991年度の文化庁芸術祭賞(演劇)を受賞。漫才師が過去にタイムスリップし特攻隊員となって生きる神風特別攻撃隊をテーマとした物語で、今井さん作の戯曲ならびに小説であり、ライフワークとして取り組んでいました。1988年より国内外で上演され、1995年に最初の映画化。2005年にはテレビドラマ化、2006年には全編英語で再び映画化されました。
1996年には、両親の留守中に起こる障害者の兄と妹の日常を描いた大江健三郎の小説が伊丹十三の監督・脚本で映画化されました。この映画『静かな生活』で今井さんは日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。また、自身の出身地である兵庫県城崎郡日高町で撮影した『SUPPINぶるうす ザ・ムービー』は、信用金庫に籠城した3人組の強盗と、ひと癖もふた癖もある人質たちが巻き起こす騒動を描いた人情コメディですが、今井さんは本作で監督デビューを果たし、自らの原作を基に脚色も担当しました。
今井雅之さん演出の作品で有名なのが“肉練”、つまりは肉体訓練。元自衛官だった今井さんの劇団では肉体を限界以上に追い込むトレーニングが名物だったそうです。今も天国で肉練をされているかもしれない今井雅之さんの安らかなご永眠をお祈りいたします。
大腸がんは、2015年の予測では、罹患(*)数は肺がん、胃がんを抜いてがん全体の中の第1位(男女計13万5800例)、死亡数は第2位(同5万600人)になりました。
一般に、自分から見た大腸の右側(盲腸、上行結腸、横行結腸)に発生したがんでは、自覚症状が起こりにくく、慢性的な貧血や腹部のしこりに気づいて受診したことがきっかけで発見されるケースが多く見られます。一方、大腸の左側(下行結腸、S状結腸、直腸)に発生したがんでは、下血や血便、便秘や下痢、便が細くなるといった症状が現れやすくなります。
*罹患とはこの場合、がんと診断されること。
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