二日酔い予防に! 宴会の日は「ランチにカレー」
「ウコン」は食品として丸ごと摂る
仲尾匡代=医療ライター
ウコンの摂り過ぎで肝機能に影響を及ぼした例も
肝臓の働きを助けるというウコンであるが、肝臓専門医の中には、肝臓に負担をかけすぎる副作用を心配する声もある。実際、C型肝炎や肝硬変を患っていた人がウコンの摂り過ぎで、症状を悪化させた例もあるという。
「ウコンには鉄分などのミネラルが多いため、それが肝臓に負担をかけることになります。しかし、健康な人の場合、過剰に摂取するのでなければ、特に問題ありません」と丁さんは説明する。「粉末やサプリメント、ドリンク剤などは、それぞれの製品が定めている用法を守って 口にしていれば、基本的に問題ないでしょう」(丁さん)。
日本では、秋ウコン、春ウコンのほかに、紫ウコン(夏ウコン)と呼ばれる「我朮(ガジュツ)」を含めた3種類のウコンがよく知られている。世界にウコン属は50種類以上ある。ウコンは、熱帯から亜熱帯にかけて自生するショウガ科ウコン属の多年草である。主にその根茎が食品、香辛料、染料、薬として使われてきた。
ウコンは寒さに弱く、国内では沖縄と鹿児島の一部の地域でしか栽培されていない。元来日本では、布やたくわんの染料として、そしてカレーの伝来後は、カレー粉の香辛料として使われていたが、今のように健康食品として商品化されるまでは、その生産数も少ないものであった。ただし、ウコンが自生していた沖縄地方では、古くから人々にその効能が知られていたようだ。「ドクダミがお茶や薬として使われていたのと同じように、ウコンは、民間薬として沖縄の人々になじみ深いものだったんです」(丁さん)。
百済診療所院長/日本薬科大学学長
