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追悼◆2016年に病気で亡くなった著名人

九重親方、永六輔さん、中村紘子さんなど8人の方々

田部井淳子さん(登山家)

没日:2016年10月20日(満77歳)
死因:腹膜がん

女性で史上初、世界最高峰・エベレストの登頂に成功した登山家

田部井淳子さん(2015年、日経Goodayのコラム「がんに負けない患者力」収録で。写真撮影:清水真帆呂)
<主な活動>

 1975年、35歳の時に、世界最高峰のエベレスト登頂に女性で初めて成功した田部井さん。小学4年生のときに栃木県の那須連峰に登ったことが、登山家を目指すきっかけとなったと伝えられています。1962年に昭和女子大学を卒業した後、社会人山岳会に入会して本格的な登山を開始。1969年に「女子だけで海外遠征を」を合い言葉に「女子登攀クラブ」を設立し、翌年にヒマラヤ山脈アンナブルナ第3峰(7555m)の登頂に成功しました。

 その後、1975年のエベレスト(アジア大陸)登頂を皮切りに、キリマンジャロ(アフリカ大陸)、デナリ(北アメリカ大陸)など各大陸の最高峰を次々と踏破。1992年にはヨーロッパ大陸最高峰のエルブルスに登頂して、女性として世界初の7大陸最高峰登頂者となりました。また、エベレストのゴミ問題を研究するため、1998年に58歳で九州大学大学院に入学。1999年には24年ぶりにエベレストのベースキャンプに赴き、環境調査隊を率いて現地調査を行って、翌2000年に同大学院比較社会文化研究科の修士課程を修了しています。

 年に数回は海外登山に出かけるほどのパワー溢れる登山ぶりで、70カ国以上の最高峰・最高地点を制覇した田部井さんは、自然に親しみたい20~40代女性のための山の会である「MJリンク」の呼び掛け人でもあり、元祖・山ガールでもありました。環境庁の自然環境保全審議会や文部省の保健体育審議会の委員を務め、長年に渡り環境保護の大切さを訴え続けたほか、2012年からは毎夏、東日本大震災被災地の高校生とともに富士山へ登頂し被災者支援に取り組みました。この「東北の高校生の富士登山」総隊長として、5回目となる2016年7月に7合目まで登ったのが人生最後の登山となったそうです。

 『田部井淳子のはじめる!山ガール』『田部井淳子の楽しい!山登り入門』『田部井淳子の人生は8合目からがおもしろい』など著書も多く、一般の人が楽しく登山できる道を開いてくれました。山について、自然を全身で受け止め実体験できるものであり、人生を豊かにしてくれる大切な存在だと語っていた田部井さん(*)。今は山よりも高い天から多くの登山者の安全を見守ってくれていることでしょう。ご冥福を心からお祈りいたします。

(*)金融広報中央委員会発行の広報誌「くらし塾 きんゆう塾」Vol.24 2013年春号に掲載されたインタビューより。
主に女性に発症するまれながん「腹膜がん」

 腹膜がんは、患者が少ないまれながん(希少がん)の一つ。男女比では女性に多く、厚生労働省の人口動態統計によると、2015年の腹膜がんによる死亡者数は、女性575人、男性23人だったと報告されています。

 腹膜も、卵巣や卵管、子宮も、胎児期に体腔上皮という細胞から作られます。女性の場合、腹膜の上皮が、卵巣などの上皮と同じ細胞に変化する「化生(かせい)」が起こることがあり、そこから卵巣などに生じるのと全く同じ種類のがんが発生し得ることが、腹膜がんが女性に多い理由だと考えられています。

関連記事
  1.  ・田部井淳子「山での遭難に比べたら、がんの治療の方が恵まれている」
  2.  ・田部井淳子「病気になっても、病人にはなりたくない」
  3.  ・田部井淳子さんの命を奪った「腹膜がん」とは何か
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平尾誠二さん

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