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追悼◆2016年に病気で亡くなった著名人

九重親方、永六輔さん、中村紘子さんなど8人の方々

夏樹静子さん(作家)

没日:2016年3月19日(満77歳)
死因:急性心不全

『蒸発』『Wの悲劇』など300冊を越える推理小説を世に送り出した夏樹さん

<主な活動>

 現代の社会問題を盛り込んだ社会派ミステリーで多くのファンを魅了した夏樹さん。慶応義塾大学在学中に執筆した『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補となったのが縁で、NHKの推理ドラマ『私だけが知っている』の脚本を担当しました。大学卒業後すぐに、作家の百田尚樹による歴史経済小説『海賊と呼ばれた男』のモデルとされる出光佐三さんの甥である出光芳秀さんと結婚し、執筆業からは離れていましたが、1969年自らの育児体験を書きとどめた『天使が消えていく』を執筆。それが再び江戸川乱歩賞候補となって注目され、以後、本格的に文筆活動をスタートさせました。

 1973年、満席で飛び立ったジェット機から1人の女が蒸発したその真相に迫るミステリー『蒸発』で日本推理作家協会賞を受賞。1982年には、アメリカの推理小説作家エラリー・クイーンへのオマージュ作ともいえる作品『Wの悲劇』を刊行しました。1984年、ノンフィクション『妻たちの反乱』がベストセラーに。1992年には『白愁のとき』で若年性認知症を取り上げました。1997年には自身の体験を綴った『椅子がこわい─私の腰痛放浪記』を刊行し、日本で心療内科が広まるきっかけを作りました。

 1980年代以降、日本テレビ・読売テレビ系列で放映された「木曜ゴールデンドラマ」「火曜サスペンス劇場」やTBS系列の「東芝日曜劇場」など、テレビ局各局で夏樹さんの作品が次から次へとドラマ化されました。また、作家活動の傍ら、福岡地方裁判所委員会や最高裁判所の下級裁判所裁判官指名諮問委員会の委員を務めるなど、裁判関係の仕事も多数行っていて、その経験を作品にも活かしていました。

 無類の囲碁好きでした。眼精疲労を患った際「コントラストが強い囲碁の白黒は目に良くない」 と医師から告げられましたが、そこであきらめずに「碁石を緑に」と発想転換し、52歳の時に「眼に優しいグリーン碁石」を作ったのです。毎年新緑の5月に「夏樹静子杯グリーン碁石囲碁大会」が催され、20年もの間続けられました。今は天国で思うぞんぶんグリーン囲碁を楽しんでいるのでしょうね。夏樹静子さんのご冥福を心からお祈りいたします。

心疾患は日本人の死因としてがんに次ぐ第2位

 夏樹静子さんの死因である「急性心不全」は、全身に血液を送り出すという心臓のポンプ機能が急激に低下して、血液がきちんと流れなくなる病態。初期症状として、流れなくなった血液が肺にたまる「肺うっ血」がよく起こります。肺うっ血になると、咳と泡のような痰を伴う激しい呼吸困難を発症するため、急性心不全は心臓喘息とも呼ばれています。急性心不全の原因として最も多いのは、急性心筋梗塞などの虚血性心疾患です。

 心疾患は日本人の死因としてがんの次に多く、2015年には19万5933人が心疾患のため亡くなっています。全死亡者に占める割合は15.2%で、年々増加を続けています。

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田部井淳子さん

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