ノロウイルスで嘔吐! どうやって消毒すればいい?
ノロウイルス徹底対策【後編:消毒法】
大西淳子=医学ジャーナリスト

感染力が強く、排除が難しいノロウイルス。前編「徹底解説! ノロウイルスってどんなウイルス?」に引き続き、後編では、職場や家庭内で、ノロウイルス感染が疑われる人が嘔吐したら、どう対処したら良いかを解説します。
嘔吐物の処理は気の重い作業ですが、やり方を間違えると、周囲にウイルスをまき散らし、自身を含め二次被害を生む恐れが。覚悟と気合いで臨みましょう。
換気をしながらエプロン、マスク、手袋などを装着
まず、どんな場所にもあてはまる注意事項は、以下の5つです。
- 嘔吐物を始末する人以外は別の部屋などに避難する
- 窓を開け、換気を良くする
- 使い捨てウェア(エプロン、マスク、手袋、靴カバー)を正しく装着する
- 飛沫を飛び散らさないよう、手早く静かに処理する
- 処理後もしばらくは換気を続ける
そして、処理用の「必須グッズ」を使って吐瀉物の処理と消毒を行います。必須グッズのほとんどは100円ショップなどで入手できますので、職場や家庭にあらかじめ保管しておくとよいでしょう。
品名 | 最低個数 | ヒント | 使用法など |
使い捨てエプロン | 2枚 | 100円ショップにある割烹着型長袖エプロンや、レインコート、パンツでOK | 裾が床につかぬよう、エプロンの場合にもレインパンツを併用し、裾はパンツの中にいれる |
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使い捨て靴カバー | 2組 | 100円ショップのガーデニング用靴カバーなどが有用 | |
使い捨て手袋 | 4組 | 丈夫なものがよい | 2重にする |
使い捨てマスク | 4枚 | 1枚が数円の3層式のマスクでOK | 隙間なく顔に密着するよう装着 |
ゴーグル | 2個 | あれば完璧 | 使用後に要消毒 |
ペーパータオル | 厚手を多めに準備 | 消毒面積は20m2 | |
使い捨てペットシーツ(ペットの尿を吸いとるもの) | 厚手大判を5枚 | 高分子ポリマーを含有し、裏面が防水素材のもの | カーペットや布団、カーテンなどの加熱消毒に使用 |
大判ビニール袋 | 厚手を2重にしたものを4組 | 汚物や汚れた衣類を入れる | |
小型ちりとり、へら、下敷きなど | 4個 | 両手に持つため、1人あたり2個 | 汚物をペーパータオルと共にすくう |
5~10Lのバケツ | 4個 | 1L、2L、3Lの位置に印を付ける | 消毒液希釈用、水拭き用 |
プラスチック性の柄杓や手桶 | 2個 | 消毒液をすくう | |
消毒液 | 塩素系漂白剤 | その場で希釈する(次ページ別表参照) | 2通りの濃度を使い分ける |
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