徹底解説! ノロウイルスってどんなウイルス?
ノロウイルス徹底対策【前編:まず敵を知る】
大西淳子=医学ジャーナリスト
3)ノロウイルスを含む飛沫(微小な水滴)を吸引(飛沫感染)
・患者の便や嘔吐物が飛び散って発生した飛沫を吸い込むと感染する。患者が嘔吐または下痢したあとのトイレの個室の空気中には多くの飛沫が存在する。
・便や嘔吐物をマスク無しに始末すると、飛沫を吸い込む危険性が高まる。
4)空気中に漂うノロウイルスを吸引(空気感染)
・感染者の嘔吐物や便で汚れた場所が適切に消毒されず、乾燥すると、飛沫より細かい粒子になって舞い上がり、空気の流れと共に遠くまで運ばれる。空調機を介してウイルスが運ばれることもある。
治療
- 基本は安静にし、自然治癒を待つ。抗生物質は効かない
- 脱水予防には市販の経口補水液を
ノロウイルスについては予防できるワクチンがなく、ウイルス感染で起こる胃腸炎への特効薬もないため、受診しても受けられるのは脱水予防のための点滴などの対症療法にとどまります。ウイルスによる病気なので、抗生物質は効きません。
脱水を防ぐため、市販の経口補水液を飲んで、下痢で失われた水分を補うようにしましょう。下痢止めは、ウイルスの排泄を遅らせることがあるので使用しない方がよいでしょう。
自分でできる予防策
- こまめな手洗いがなにより重要
日常的に正しい方法で手洗いを行うことが何より重要です。ノロウイルスを持ち帰ってこないよう、トイレや洗面所を使用した後には、石鹸を使って正しく手指を洗浄します。食事の前、料理をする前にも手洗いを確実に行います。
- 次ページ
- 感染力を失わせるには?