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「睡眠不足」悪事の数々 免疫低下、無力感、体重増も

アリアナ・ハフィントン流 最高の結果を残すための「睡眠革命」(2)

 アリアナ・ハフィントン

1週間の睡眠時間を1時間減らすだけで心臓発作リスクUP

睡眠障害がある男性は心臓発作のリスクが2~2.6倍高く、脳卒中のリスクも1.5~4倍高いという報告も(©Kladej Voravongsuk -123rf)
睡眠障害がある男性は心臓発作のリスクが2~2.6倍高く、脳卒中のリスクも1.5~4倍高いという報告も(©Kladej Voravongsuk -123rf)

 死には至らない場合でも、睡眠不足が招く健康の悪化は危険きわまりない。睡眠医学の専門医キャロル・アシュによれば、1週間の睡眠時間を1時間減らすだけでも(多くの人がためらいもなくしていることだ)、心臓発作のリスクが高まる可能性があるという。また、サマータイムの切り替えだけでも私たちの睡眠パターンは一時的に乱される。

 警告ベルはまだまだある。ロシアの研究では、心臓発作を起こした男性の63%弱に睡眠障害もあったことが見いだされた。そして睡眠障害があった男性は心臓発作のリスクが2~2.6倍高く、脳卒中のリスクも1.5~4倍高かった。ノルウェーの研究によれば寝つきに問題を抱える人は交通死亡事故の34%に関与しており、不眠の症状がある人は事故のけがで死亡する確率が3倍近くも高かったという。また、睡眠覚醒サイクルの制御ホルモンであるメラトニンの不足は、乳がん・卵巣がん・前立腺がんのリスク上昇との関連性が見いだされている。

 睡眠不足は免疫系を弱らせるので、風邪などのありふれた病気にもかかりやすくなる。職場では、従業員が疲れているときは、少し長めに眠って遅刻してもらうほうが、後になって数日病欠されるよりは会社にとってもいいかもしれない。ましてや、その従業員が無理に出勤してくれば、他の人に病気をうつす可能性だってある。

6時間睡眠×5日で「しわ」「しみ」「赤み」が増加

 睡眠不足は体重コントロールにも大きな影響を及ぼす。メイヨークリニックが1週間かけて行った実験では、睡眠を制限された被験者はそうでない被験者に比べて1日当たりの摂取カロリーが559キロカロリー多く、体重増加も大きかった。また、一晩当たりの睡眠時間が6時間の人は体重超過のリスクが23%高い。そして4時間以下になると、リスク上昇は73%にも達する。

 理由の一つはグレリンというホルモンにある。食欲を増進させるこの「空腹ホルモン」は、睡眠が多い人のほうが分泌量が少ないからだ。同じ研究において、睡眠不足のグループは、食欲を低下させる「満腹ホルモン」、レプチンの量が少なかったとも報告された。睡眠を削ることは太るための理想的な方法といえるほどだ。別の研究では睡眠と神経伝達物質オレキシンとの関連性も指摘されている。オレキシンは身体活動とエネルギー消費を促す働きがあるが、睡眠不足になると減少する。

 要するに、十分に休んでいなければ、健康ではいられない。そしてそれは外見にも表れる。スウェーデンでは、睡眠不足の人とよく休んだ人の写真を見比べるという研究が行われた。研究に協力した一般の人々は、睡眠不足のグループのほうが「不健康・疲れている・魅力が少ない」と答えた。英国では、女性30人を対象に睡眠不足の影響を調べる実験が行われた。8時間眠った後に皮膚の撮影と分析を行い、次に5日間連続で6時間睡眠にして、結果を比較するというものだ。すると、しわは45%、しみは13%、赤みは8%増加していた。睡眠不足は特殊メイクのようなものといえるだろう。

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