日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > トピックス  > ノーベル賞で注目の体内時計、リズムを作るメラトニンの驚くべき効果
印刷

トピックス

ノーベル賞で注目の体内時計、リズムを作るメラトニンの驚くべき効果

 ステラ・メディックス

(c)Johan Mollerberg -123rf
(c)Johan Mollerberg -123rf

 2017年ノーベル生理学・医学賞を受賞したのは、体内時計の謎を解明した、米国の3人の研究者だ。生命の24時間のリズムを刻むのはなぜかという問題に挑み、体内時計をつかさどる「ピリオド」と呼ばれる遺伝子を突き止めた、米国ブランダイス大学のジェフリー・ホール名誉教授、同大学のマイケル・ロスバッシュ教授、米国ロックフェラー大学のマイケル・ヤング教授の3人。

 体内時計は、いまや睡眠に限らず、さまざまな病気にも関係していると分かってきている。その接点として注目されているものの一つが「メラトニン」というホルモンだ。体内時計のメカニズムから、メラトニンがどのように私たちの健康に関係しているのかを見ていこう。

体内時計のリズムに合わせた「ホルモンのカクテル」

 そもそも体内時計は、全身に強力なインパクトを与えていることが最近までに分かってきた。

 「体内時計のリズムに合わせて変動する、“ホルモンのカクテル”が全身を巡っているのです」と、日本時間生物学会理事長を務める東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻教授の深田吉孝さんは解説する。

 「時計の歯車のような仕組みが見つかったきっかけは、ベニバナインゲンというマメ科植物が真っ暗な環境でも1日のリズムで葉っぱを上げ下げしている現象への疑問がスタート地点でした」(深田さん)。ここから、今回のノーベル賞受賞者は、ピリオド遺伝子がコントロールをして、時計の歯車となっていることに行き着く。

 「ピリオド遺伝子から作られるPERたんぱく質が自分自身の生産を止める仕組みがあります。このためにPERたんぱく質が作られたり作られなくなったりし、この仕組みが数百、数千のホルモンの生産にも影響していることがはっきりしました。ピリオド遺伝子の影響で、さまざまなホルモンが変動しており、まさに“ホルモンのカクテル”が血液の中をダイナミックに変化しながら流れているのです」(深田さん)

 変動しているホルモンの一つが、メラトニンだ。メラトニンはさまざまなホルモンの中でもとりわけ昼夜で劇的に分泌量が変化するホルモンとして知られている。メラトニンが増えると眠くなるなど、このホルモンが睡眠をつかさどっていると知られていたが、さらに最近では他の働きも分かってきている。

メラトニンの分泌が覚醒と眠りに関係しているのはよく知られている
メラトニンの分泌が覚醒と眠りに関係しているのはよく知られている
覚醒モードと睡眠モードのイメージ図。目から網膜に入った光の信号は、神経を介して体内時計の中枢に入る。そうするとメラトニンの分泌が抑制され、体が覚醒モードに切り替わる(左)。朝の光を浴びてから約15時間後からメラトニンの分泌が再び高まり、その作用でだんだん眠くなる(右)。(c)yomogi -123rf

1/2 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 健康長寿の生命線! 放置は禁物 「腎臓」の異常値NEW

    生命維持に欠かせないさまざまな機能を担っている腎臓は、よほど悪くならない限り悲鳴を上げない「沈黙の臓器」でもある。本記事では、大切な腎機能が失われる前に、異常値にどう対処すればいいか、腎臓を守るためにはどのような生活習慣に気を付けていけばいいかについて解説する。

  • 加齢で進む胃の不調 機能性ディスペプシアと逆流性食道炎の原因と対策

    加齢により胃の機能が衰えると、さまざまな不調が起きる。ピロリ菌の除菌が進んで胃がんや胃潰瘍が減ってきた今、胃の病気の主役は、胃もたれや胃痛の症状を招く「機能性ディスペプシア」と、胸やけやげっぷが起きる「逆流性食道炎」の2つに移行しつつある。なぜ機能性ディスペプシアと逆流性食道炎は起きるのか、どのような治療が必要なのか、セルフケアで改善・予防できるのか。このテーマ別特集では、胃の不調の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

  • 「中途覚醒が多く寝た気がしない」 中高年の睡眠の悩み解消術

    「睡眠の途中で何度も目を覚まし、眠った気がしない」「早朝に目覚めてしまい、その後なかなか寝付けない」――。歳をとるにつれ、そんな「中途覚醒」「早朝覚醒」に悩まされるようになったという人も多いだろう。なぜ中途覚醒は起きるのか。中途覚醒を解消して、若い頃のような「熟睡」を手に入れることはできるのか。このテーマ別特集では、中途覚醒の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.