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日本の高齢者は若返っている! 抗老化研究の最前線

『「100年ライフ」のサイエンス』監修者・樂木宏実さんに聞く

 江田憲治=日経BP総合研究所メデイカル・ヘルスラボ

 ただし申し上げておきたいのは、こうした技術がいくら進歩しても、受け身の姿勢では老化は制御できないということ。自ら主体的にエイジング管理に取り組むことが不可欠で、その羅針盤を目指したのが、『「100年ライフ」のサイエンス』です。

運動の重要性に言い過ぎはない

本の概要を教えてください。

樂木 「先制医療」の提案者である日本学士院長の井村裕夫先生、老化細胞研究で世界から注目されている大阪大学の原英二先生、認知症研究の第一人者である東京都健康長寿医療センター理事長の鳥羽研二先生など、様々な専門家への取材を基に、現代老化研究の成果と最先端の取り組みを網羅しました。

 取材・制作に当たった日経BP総合研究所の方にお願いしたのは、科学的エビデンスに基づく内容にすることと、“教科書”であると同時に“実践書”とすること。このため、お話を聞いた「賢人」の方々には、ご自身の「老化制御法」も紹介していただきましたが、これは私にとっても新たな気付きの連続でした。国内第一級の研究者のご協力を得て完成した本書は、まさに「100年ライフのサイエンス」が詰まった本、科学から自分の未来と健康を考えてもらえる本になったと自負しています。

本の読みどころや活用法について教えてください。

樂木宏実さん

樂木 本の読み方は読者の自由ですが、私なりに考えたヒントをご紹介しましょう。

 1つ目は、まず自分で実行できる方法を探してみること。特に注目していただきたいのが、食、運動、睡眠などについてです。例えば、医師は腰痛の患者さんに対し、湿布薬で治そうとすることが多いものですが、本当は運動を処方するほうが有効かもしれません。老化の制御において、運動の重要性に言い過ぎはありません

 2つ目は、通常の運動や栄養で補えないような薬やサプリメントにも注目していただきたいこと。医療のあり方が、「治す医療」から「治し支える医療」へと変わりつつあります。治療ももちろん大切ですが、病気の予防や病気になった人の心身の支援も欠かせないという意味です。そのサポート役として、本で紹介したような物質や製品にも注目していただきたいと思います。

 3つ目は、かつて常識と言われたことが、常識でなくなる可能性があることを知ること。例えば、第3章で「睡眠は量より質とは言えない」「(子供は)小さく生んで大きく育てるのは間違い」との指摘があります。科学について真摯に、かつ明確に語って頂いた先生方の話の中には、「サイエンスの本質」を知るヒントが散りばめられています。

 最後にもう1つ、特に高齢の親御さんがいる方なら、親御さんの健康を考えるヒントとしても、この本をご活用ください。100年ライフにおいて、親の健康 = 自分の健康という考え方も大事だと思います。

(聞き手:江田憲治=日経BP総合研究所メデイカル・ヘルスラボ/写真:大腰和則)

樂木宏実(らくぎ ひろみ)さん 大阪大学大学院医学系研究科内科学講座(老年・総合内科学)教授
樂木宏実(らくぎ ひろみ)さん 1984年大阪大学医学部卒業。米国ハーバード大学ブリガム・アンド・ウイミンズ病院内科、米国スタンフォード大学心臓血管内科研究員などを経て2007年より現職。老年医学、高血圧学を専門に研究し、「元気な高齢社会」への展開を目指す。日本老年医学会前理事長、日本高血圧学会理事長、日本心血管内分泌代謝学会理事。

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