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女性の梅毒が急増中! その背景には…

現れたり消えたりする多彩な症状に注意

 大西淳子=医学ジャーナリスト

第III期(感染後数年) ~ゴムのような腫瘍が発生、複数の臓器に異常~

 皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生することがあります。また、心臓、血管、脳などの複数の臓器に異常が発生、最悪の場合には死亡することもあります。現在では、比較的早期に治療を受ける患者が多く、この段階まで進行する人はほとんどいません。

感染経路 ~症状が出ている粘膜・皮膚との接触で感染~

 梅毒はどのような経路で感染するのでしょうか。梅毒の症状が現れている患者の粘膜や皮膚と、非感染者の粘膜や皮膚が直接接触すると、感染する危険性があります。主に感染の原因となるのは、性器と性器、性器と肛門、性器と口の接触ですが、感染部位を傷のある手で触れても感染する危険性があります。1回の性的接触による感染のリスクは、HIV(エイズを引き起こすウイルス)よりずっと高いとみられています。

感染予防法 ~無防備な性交渉を避けることが第一~

 梅毒を予防するワクチンはありません。が、性的な接触をしなければ感染しません。パートナーが陰性なら感染しませんが、パートナーが一晩限りの無防備な性行為をする人であれば、いずれ自分も感染する可能性があります。もちろん本人が無防備な性交渉を避けることが第一です。

 コンドームの使用にはある程度の予防効果が期待できますが、完全ではありません。コンドームに覆われていない部分との接触が感染を引き起こす危険性があります。口腔粘膜に潰瘍などの症状が出ている患者とのキスも感染の原因になります。パートナーの皮膚や粘膜に異常があれば、その日は性的な接触を控えて、速やかに医療機関を受診するよう勧めましょう。

どこの診療科を受診すればいい?

 症状が多彩なだけに、患者が最初に受診する医療機関はさまざまで、歯科医を受診する患者もいるほどです。が、感染リスクを高める行為があり、上記のような症状が現れた場合には、男性は泌尿器科、女性は婦人科を受診するとよいでしょう。無防備な性交渉や風俗の利用があったことを伝えれば、診療はスムーズに進むはずです。

梅毒検査 ~検査キットを購入し、郵送する方法も~

保健所によってはHIV検査と一緒に梅毒検査を受けることもできる。(©Jarun Ontakrai -123rf)

 梅毒に感染しているかどうかを調べるには、3つの方法があります。

1. 受診した医療機関で、血液検査(最初は抗体検査)を行います。

 感染から3週間程度しかたっていない場合は、まだ十分な抗体ができておらず、検査結果が陰性になってしまいますが、それ以降に検査を受ければ、信頼できる結果が得られます。

2. 保健所で、匿名かつ無料で検査を受けられる場合があります。

 HIV 検査相談に関する全国保健所アンケート調査報告書(平成25年度)(*4)によると、回答を寄せた日本国内の保健所の76%が、HIV検査と共に梅毒検査も行っていました。梅毒はHIV感染リスクを高めることが知られており、これら2つの病気の検査を一度に受けることは理にかなっています。ただし、梅毒検査の実施頻度は、週1回から月1回と少ないため、最寄りの保健所に電話で確認したうえでお出かけください。

3. 最後の選択肢は、検査キットを購入し、自宅で標本を採取して郵送する方法です。

 梅毒検査を含むキットは、1万円弱から1.5万円程度の価格で市販されています(他に検査できる項目の数によって異なる)。ただし、梅毒に対する治療を受けたことがある人は、治癒後も陽性判定を受ける可能性があるなど、検査結果に対する判断が難しい場合があります。

*4 厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業.HIV 検査相談の充実と利用機会の促進に関する研究. HIV検査相談に関する全国保健所アンケート調査報告書(平成25年度)

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