日本イーライリリーが実施した大人の注意欠陥・多動性障害(ADHD)に関する調査(調査期間:2015年10月7〜8日)の結果によると、ADHDの認知度は5割程度にとどまり、ADHDという言葉を知っている人でも、約9割が大人のADHD当事者への適切な対応を知らないという。
ADHDは、不注意、多動性、衝動性を特徴とする症状が見られる発達障害の1つ。以前は子どもに特有の障害と考えられていたが、近年、成人のADHD当事者が日常生活に困難をきたしていることが分かってきている(「大人のADHD」についての解説は次ページ)。
調査は、20〜60代の男女400人を対象に、東京都立小児総合医療センターの市川宏伸顧問と発達障害をもつ大人の会の広野ゆい代表による監修のもと、インターネット上で実施した。ADHDという言葉を知っているかとの質問に対し、「知っている」との回答は54.8%だった。
ADHDという言葉を知っている人のうち、大人になってから自分がADHDであることに気づく人もいることを「知っている」は67.6%だった(図1)。しかし、大人のADHDがどのような疾患であるか理解している人は37.0%にとどまり(図2)、ADHDと診断された大人への適切な対応を知っている人はわずか10.5%だった(図3)。
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