健康食品「4つの誤解」 副作用の有無から効き目まで
どれだけ知っている?トクホ、機能性表示食品の本当のこと
村山真由美=フリーエディター・ライター
「ダイエットにいいお茶」「膝にいいサプリメント」など、私たちの身の回りには健康食品があふれている。健康食品を利用したことがある人は8割、定期的に利用している人は3割ともいわれるが、一般社団法人くすりの適正使用協議会が実施した「健康食品・医薬品の知識と意識に関する調査」(*1)によると、健康食品について正しく理解していない人は意外に多い。そこで、同アンケート調査をもとに健康食品に関するよくある誤解をピックアップ、国立健康・栄養研究所情報センターの千葉剛さんに解説してもらった。
【誤解1】健康食品に副作用はない

健康食品には副作用がないと思っている人と、わからないという人の合計が半数を超えている。つまり、半数以上が正しく理解していないといえるが、「ありとあらゆる健康食品で副作用が起きています」と国立健康・栄養研究所情報センター健康食品情報研究室室長の千葉剛さんは話す。
「最近多いのは、ダイエット系のサプリメントに入っているコレウス・フォルスコリや、お茶に入っている難消化性デキストリンの過剰摂取による下痢。また、膝にいいといわれるグルコサミンでアレルギーを起こしてかゆみ、湿疹が出たという報告もあります」(千葉さん)
コレウス・フォルスコリは植物の成分で、脂質の代謝を促進するといわれる。難消化性デキストリンはトウモロコシのデンプンからつくられる水溶性食物繊維だ。また、グルコサミンはエビやカニの甲羅からつくられる成分で、軟骨をつくるのに不可欠といわれる。とりすぎたり、体に合わないと、上記のような副作用が起こり得るので注意が必要だ。

また、健康食品の表示で、「●●抽出物」と書いてあるものを見たことがないだろうか。これは、植物などから目的の成分を抽出する際、その他の成分も含めて抽出したものであることを表している。
「例えば、ダイエットにいい成分が入っているからとサプリメントやお茶をとっていたら、それ以外の成分が原因で下痢やアレルギーを起こしてしまったということもあります」(千葉さん)
天然成分であっても合成成分であっても、アレルギーを起こさない人は起こさないし、起こす人は起こす。それは成分の問題ではなく個人差だ。健康食品で注意したいのは、予想しなかったものが原因で下痢やアレルギーを起こす可能性があるという点だ。そうしたことが起き得ることを理解したうえで利用し、不調の原因が健康食品だと気づかないままとり続けることがないようにしたい。
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