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1分で分かる!ノロウイルス対策 8問8答

空気清浄機はノロ対策になる?衣類に吐物がついたら捨てるべき?

 塚越小枝子=フリーライター

これから流行が予想されるノロウイルス。「ノロvsインフル、脱水予防の水分補給はこう区別せよ」の記事に引き続き、その対処法について専門家に聞いた。正しい知識を得て、流行シーズンに備えよう。

新型ノロウイルスは症状が今までと違うの?

【A】今年流行が予測される新型ノロウイルス(※)も、症状は従来のものとほぼ同じようです。感染してから発症するまでは1〜2日、発症すると多くの場合は激しい嘔吐と下痢が続き、腹痛や発熱が見られる場合もあります。これらの症状は通常1〜3日で治まりますが、回復しても1〜2週間は便中にノロウイルスがいることが多いため、他の人にうつさないような配慮が必要です。
※新型ノロウイルスの脅威について詳しく知りたい方は「大流行懸念される「新型ノロウイルス」、なぜ怖い?」をクリック。

ノロウイルスは二枚貝から感染するの?

【A】手や食品などを介して経口感染します。従来はカキなどの二枚貝を生食あるいは十分に加熱しないで食べた場合が中心でしたが、近年では感染経路は多岐にわたり、食品を取り扱う調理従事者を介した食中毒事例も増えています。 また、「不顕性感染」といって、ウイルスに感染しても症状が出ない場合もあります。感染していると自覚しないまま、他の人にうつしてしまわないよう、流行時期はちょっとした下痢などにも注意が必要です。

空気清浄機はノロウイルス対策になる?

【A】ノロウイルスは99%が接触感染で空気感染はほとんどしません。また、ノロウイルスは小さいため、フィルターや静電気による空気清浄機能では除去できず、空気清浄機はノロ ウイルス対策にはなりません。日常生活においては、空気清浄機などの機能を過信することなく、手洗いやノロウイルスに有効であるとされている消毒薬による消毒などが必要です。

脱水予防の水分補給として、スポーツドリンクを薄めて飲んでもよいの?

【A】下痢や嘔吐では、胃液で約35mEq/L、胆汁で約150mEq/L、唾液で約50mEq/Lもの塩分が失われ ますが、スポーツドリンクに含まれるナトリウムは製品にもよりますが約20mEq/Lです。これを仮に2倍に薄めて飲めば10mEq/Lしか摂取できないことになります。スポーツド リンクを飲むなら、せめて薄めないこと。選べるなら、ナトリウムがより多く含まれ(製品にもよりますが35~60mEq/L)、吸収されやすくつくられた経口補水液(ORS)を薄めずに飲むことをおすすめします。

下痢・嘔吐が治まれば普通に生活して大丈夫?

【A】海外のガイドラインでは、嘔吐が止まって脱水が改善したら、できるだけ早く通常の食事を始めたほうがよいとされています。ただし、症状が治まったあとも1週間から長いときは1カ月程度、便にウイルスの排出が続くことがあります。ノロウイルスは感染した人の便や吐物からうつりやすいので、回復してもしばらくの間は直接食品を扱う作業は避けましょう

消毒はどこまですればいいの?

【A】ウイルスを含んだ吐物は、半径2メートル程度は飛び散るといわれています。汚れた床やトイレを処理する際は、ビニール手袋やマスク、靴カバーなどを着用し、薄めた塩素系消毒剤等で半径2メートル程度を外側から消毒し、吐物そのものは高濃度の塩素系消毒剤とともにビニール袋に入れて捨てます。処理した後の残りカスにも大量のウイルスが含まれているため、乾燥して飛び散らないよう、換気しながらその場所を塩素系消毒剤などで十分消毒しましょう。日ごろから市販の「吐物処理キット」などを準備しておくと安心です。

衣類に吐物や便がついてしまった場合、洗濯物を全部捨てなくちゃダメ?

【A】汚染が軽い洗濯物ならば、熱湯消毒するか、消毒を兼ねた洗濯を。塩素系漂白剤に約30分浸けたあと、漂白剤を捨てて洗剤を入れ、普通に洗濯します。すすぎは念入りに2回以上。汚染がひどい場合は迷わずビニール袋に入れて廃棄しましょう。

ノロウイルス感染を予防するには?

トイレの後の手洗いは徹底を!(©subbotina 123-rf)

【A】普段から、せっけんを使い丁寧に手を洗う習慣をつけることが予防の大原則。トイレで用をたしたあと、手洗いが不十分だとウイルスが広がりやすくなります。なお、アルコール消毒はノロウイルスにはあまり効果がないとされています。アルコール消毒する際は、ノロウイルスに対する消毒効果が確認されているアルコール製剤を使用しましょう。また、流行時期には生ものなど食品に注意。二枚貝は、中心部が85〜90℃になるようにして90秒間以上加熱しましょう。

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矢野一好さん
首都大学東京客員教授・保健学博士
矢野一好さん

首都大学東京客員教授、機能水研究振興財団理事。元東京都健康安全研究センター微生物部長。保健学博士。

十河 剛さん
済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科副部長
十河 剛さん

1995年防衛医科大学校卒。2013年より現職。2014年より横浜市立大学医学部非常勤講師を兼務。専門は小児科、特に肝・消化器疾患の診断と治療。また、武道に精通し、自宅敷地内の道場で子どもたちや学生への指導を続けている。