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知らないと損!病気になったときのお金のこと

「高額療養費制度」「限度額適用認定証」をよく知らない人は必見!

 市川純子=ヘルスケアコンテンツストラテジスト 医療ジャーナリスト

ある日突然、病気やけがのために高額な手術費用や入院費用を支払わなければならなくなったとしたら、あなたはすぐにお金を用意できますか? 健康なときはあまり意識することはないかもしれませんが、実は医療費の自己負担額が高額になった場合に役立つ高額療養費制度をはじめ、知っておくと役立つ制度がいくつかあります。この機会に、意外に知らない「病気になったときのお金のこと」を知っておきましょう。

いざという時に頭を抱えないで済むために…。(©ostill 123-rf)

 東北に住むAさん(54歳)は新卒で入った会社の経理担当としてコツコツとやってきました。仕事は9時から18時。残業はなし。記憶にある限り病気で休んだこともありません。あるときから、便に血が混じるようになりましたが辛いものを食べたあとの痔だろうと思っていました。しかし、ある夜、耐え難い腹痛になり、妻が救急車を呼んで病院に搬送されました。

 検査の結果、まさかの大腸がんと診断され緊急入院をすることに。その後1カ月ほど入院し、退院後に抗がん剤治療を開始しました。すると、抗がん剤の影響で体力が低下。だるさが強く仕事が続けられなくなると同時に、治療に一体どのくらいのお金がかかるのだろうと不安になりました。

 そんなAさんを例に、知っているようで意外に知らない病気になったときのお金のことについて説明しましょう。ちなみに、Aさんの標準報酬月額(※1)は45万円です。

 Aさんの大腸がん手術には137万円かかりました。ただし健康保険に加入していたため自己負担分は3割の約41万円でした。

手術代137万円でも自己負担は9万円!?

 がんの治療は長期にわたるためお金がかかります。そこで利用したのが「高額療養費制度」。これは、月の初めから終わりまでの間にかかった医療費(※2)の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される制度です(表1)。年齢や所得に応じ、本人が支払う医療費の上限は異なりますが、Aさんの場合、上限額は「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」で算出されますので、約9万円となります。結果的に、41万円を一旦支払った後に32万円の払い戻しを受けられます。

【表1】
[画像のクリックで拡大表示]
出典:全国健康保険協会ホームページ

※1 被保険者が事業主から受ける毎月の給料などの報酬の月額を、区切りのよい幅で区分したもの。標準報酬月額の決め方はこちら
※2 入院時の食費負担や差額ベッド代等などは含まない。

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