日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > からだケア  > トピックス  > ハフィントン氏 死を招く睡眠不足、世界最短は東京
印刷

トピックス

ハフィントン氏 死を招く睡眠不足、世界最短は東京

アリアナ・ハフィントン流 最高の結果を残すための「睡眠革命」(1)

 アリアナ・ハフィントン

 睡眠は、ほかのどんな方法よりもプラス効果がきわめて高い「究極の健康法」だ。睡眠を犠牲にして何かしようとするのは、「愚の骨頂」。人生を豊かにする「睡眠革命」に今すぐ取りかかろう!……こう主張するのは、「ハフィントンポスト」の創設者、アリアナ・ハフィントン氏だ。彼女は2016年8月、「『成功するには燃え尽きという代償が不可欠』という集団妄想を終わらせ、人々の働き方と生き方を変える」ことを理念に掲げ、新会社を設立。睡眠の質を高めることの大切さを提唱している。私たちの睡眠はいかに深刻な危機に陥っているか、その危機を脱するには睡眠とどう向き合えばいいか――。ハフィントン氏の考えを著書『スリープ・レボリューション』から紹介する。

ある金融アナリストの過労死

「ハフィントンポスト」の創設者で、今は睡眠の伝道師として活動するアリアナ・ハフィントン氏(©Peter Yang)

 サルブシュレシュス・グピタは、ゴールドマンサックスに入社して1年目の金融アナリストだった。2015年、サンフランシスコでのことだ。週100時間という激務に疲れた彼は3月に退職した。が、またすぐ復職した。それが社会的なプレッシャーのためだったのか、それとも自らかけたプレッシャーのためだったのか、わかっていない。復職1週間後、彼は午前2時40分に父親に電話した。そして、2日間眠っていないこと、プレゼンテーション資料と朝の会議の資料を仕上げなくてはならないこと、オフィスに一人きりでいることを話した。父親は帰宅するよう説得した。グピタはあと少しだけ残って仕事をすると答えた。数時間後、彼は自宅前の通りで遺体で発見された。住んでいた高層マンションから飛び降りたのだった。

 日本語、中国語、韓国語には、「働きすぎによる死」を意味する「過労死」という言葉がある。英語にそのような単語はないが、犠牲者はたくさんいる。また、命を落とすまでには至らなくとも、睡眠不足という流行病にかかっている人は多い。

 睡眠不足は産業化社会に取りついた亡霊だ。私たちはとにかく眠りが足りない。そしてこれは、多くの人が思っているよりずっと大きな問題だ。私たちの時間は、昼も夜も、かつてないほど脅かされている。やるべきことが増え続け、それに伴って、起きている時間の価値が跳ね上がった。ベンジャミン・フランクリンの言葉「時は金なり」が産業社会の合言葉となった。そこで削られたのが睡眠時間だ。産業革命の夜明け以来、私たちは睡眠を、気は進まないが義理でつきあう遠い親戚のように扱うようになり、訪問をなるべく短時間で済ませようとしている。

 科学は、私たちの祖先が本能的に知っていたことを繰り返し裏付けている。睡眠は空白の時間などではない。非常に活発な神経活動が生じて、記憶の定着や、認知機能のメンテナンス、脳と神経系の掃除と回復が行われる、とても豊かな時間だ。正当に評価すると、睡眠時間は、起きている時間に劣らない価値がある。私たちは、充分な睡眠を取ることで、起きている時間の質をずっと高めることができる。

 しかし現代社会の大部分は、いまだにあの集団妄想のもとで営まれている。睡眠は時間の無駄遣いにすぎない、増え続けるToDoリストをこなして楽しく暮らすにはひたすら睡眠を削ればいい、という妄想だ。

1/3 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • もの忘れと将来の認知症の関係は?

    「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」…。“もの忘れ”は、ミドル以上なら誰にでも経験があるもの。本特集では、もの忘れの原因は何なのか、将来の認知症につながるのかなどについて紹介する。

  • 健康寿命を左右する「全粒穀物と食物繊維」の摂取方法

    今、世界的に「全粒穀物」の健康効果が注目されている。全粒穀物の摂取が増えるほど、がん、心血管疾患、総死亡率が低くなるという研究報告も出ている。その健康効果の中核となっているのが「食物繊維」だ。食物繊維が体にいいことはよく知られているが、主に便通などに影響するものと軽視されがち。だが、食物繊維不足は生活習慣病と密接な関係がある。本特集では、主食の選択が及ぼす健康効果から、注目の大麦の健康効果、穀物以外の食物繊維のとり方までを一挙に紹介する。

  • 「胃がん」撃退のため知っておきたい最新情報

    これまで多くの人の命を奪い、「死の病」であった胃がんが、「ピロリ菌」除菌の登場によって未然に防ぐことができる病気になってきた。また、万が一胃がんになってしまった場合も、胃カメラによる検診を定期的に受けていれば、超早期の段階で見つけて治療し、胃の機能をほとんど損ねることなく日常生活に戻ることができる。本特集では、近年死亡率が大きく減少している胃がんの最新事情をまとめる。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2018 Nikkei Inc. All rights reserved.