スーパー大麦で、太りにくい体質を作る「やせ形腸内フローラ」に?!
「睡眠の質が上がった」という報告も
柳本 操=ライター
スーパー大麦で睡眠改善?
さらに、森田さんは、スーパー大麦による睡眠改善効果についての研究結果も発表した。「大麦と睡眠」というと一見関係なさそうに思えるが、森田さんによると、この研究を行った背景には、「スーパー大麦を食べると安眠できるようになった」という消費者からの声が複数寄せられたことが発端となったという。
森田さんらは、睡眠に悩みを感じている女性21人に、スーパー大麦を1日12gとれるよう設計したショートバーを4週間摂取してもらった。その結果、「睡眠の質」「睡眠困難」「中途覚醒」「日中の眠気」が有意に改善したという(グラフ)。
森田さんは、この睡眠改善効果について、腸内細菌叢の視点から分析する。
「腸内でのセロトニン(睡眠と関係する物質)の合成や制御に、腸内細菌の中でもクロストリジウム属の4菌種が関わるという海外の報告があります。この報告をもとに、4菌種に該当する腸内細菌叢を足すと、スーパー大麦を食べた4週目にこれらの菌種が1.6倍と増加傾向になり、摂取終了から4週間後には低下することが分かりました。スーパー大麦をとっていた期間の腸内細菌叢の変化が、睡眠改善になんらかの影響を与えているかもしれません」(森田さん)
これまでと同じように食べているのに太りやすくなった。なかなか寝付けず、目覚めがすっきりせず、日中眠い――。このような問題に悩んでいる人は少なくないだろう。普段の主食を変えてみることで、これらを改善できるなら、試す価値はありそうだ。
帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科教授
岡山大学大学院環境生命科学研究科教授
