舌で分かる血流不足 目指すはサラサラよりタップリ
ヒット書籍『血流がすべて解決する』著者・堀江昭佳さんに聞く(前編)
塚越小枝子=フリーライター
舌を見ればわかる! 血流の状態
血流が不足しているかどうか、自分で見極める方法はありますか?
漢方で行われる「舌診」がわかりやすいです。舌をべろっと出したときに小刻みに震えたり、色が淡いのは血が足りない(血虚)人の特徴です。また、真ん中にへこんだ線が入るのは血がつくれない、足りない(気虚・血虚)の両方です。血流が良くなってくると線も浅くなるので、ときどきチェックするとよいと思います。さらに、流れが悪い人(お血)は舌の裏側にぼこぼこと2本の静脈が浮き上がります。
「舌苔(ぜったい)」といって、表面に白いコケのようなものが少しだけあるのが健康な状態ですが、べたっとたくさん付いている場合は、不要なものをため込んでいる証拠です。血が汚れて質が悪くなりやすく、メタボの人に多いです。
血流を良くするには「1週間夕食断食」
では、血流を良くするために、日常生活でどうすればよいでしょうか?
短期的に胃腸を元気にして血流を良くする方法として、私がおすすめしているのが「1週間夕食断食」です。現代生活は、胃腸に対する負担が過剰な場合が多いので、疲れたときに夕食を抜くと朝が楽になります。
食べたものは消化されて栄養として吸収されると、肝臓に運ばれます。本来、漢方では夜は肝を休めるときなのですが、就寝前に夕食をたくさん食べると、肝が休まらずに栄養の処理をさせられ、機能がおかしくなってきます。西洋医学的にも肝臓は人体で一番血を蓄えている臓器ですし、漢方でも血を蔵するところです。そこが過労状態になると、血の質が悪くなり、血を流す力も低下してきます。ですから夕食断食をすると、胃腸や肝臓が休まることで、消化吸収のはたらきが高まり、血流を良くすることができるのです。
完全断食は専門家の指導のもとで行う方がいいので自己流はすすめませんが、夕食だけ抜くなら無理なく1週間続けられます。朝食・昼食は通常通り食べてよく、仕事の合間のコーヒーや紅茶も飲んでよく、夕食代わりに固形物のないスープや酵素ジュースなら飲んでもよい、という方法です。1週間が無理なら1日でも2~3日でもやらないよりはいいですが、1週間続けると変化を実感しやすいですし、少ない量でも満腹感を得られるようになるのでその後も食べる量が減ります。そうなったら、調子の悪いときだけ抜くのでも構いません。
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