舌で分かる血流不足 目指すはサラサラよりタップリ
ヒット書籍『血流がすべて解決する』著者・堀江昭佳さんに聞く(前編)
塚越小枝子=フリーライター
血が足りない人が多いということですが、血流が悪くなる原因は何なのでしょうか?
血流が悪くなる理由は、血が「つくれない」「足りない」「流れない」の3つで、この順番でドミノ式に起こります。つまり、血をつくれないから、血の量が足りなくなり、足りないために流れも悪くなるのです。漢方ではそれぞれを次のような体質と考えます。
=胃腸が弱く、血液の原料となる栄養を十分に吸収できないため
血をつくりだせない。疲れやすく、やる気が出ない。
【2】血が足りない(血虚)
=血はつくれたとしても生理、出産、授乳などで失う量も多く、
血の量が不足。
婦人科系のトラブルが多く、心の状態としては不安感が強い。
【3】血が流れない(気滞・お血)
=血がつくれないか足りない、
あるいは足りていてもストレスなどの影響で
巡りが悪くなっている。肩こり、腰痛、生理痛、頭痛など。
イライラ、ストレス過敏。
通常、一人の人が複数の体質を持っていますが、女性は毎月の月経で年間1kg以上の血を失うこともあり、圧倒的に(2)の「血が足りない(血虚)」が多いです。
男性の場合は、夕食を多く食べて、お酒も飲む人が多いので、血の量が少なくなるというよりは、質が悪くなりやすいといえるでしょう。また、血を流すエネルギー(気)がつくれない人が多く、そのため(3)「血が流れない」が多いようです。
特にお酒を飲んで下痢をする人は胃腸が弱く気をつくるのが苦手ですが、自分では胃腸が弱いことに気づいていない人もいます。漢方では、気をつくるのは血と同じく胃腸のはたらき(脾〔ひ〕の力)によります。脾は高温多湿の環境を嫌うので、日本人はもともと胃腸が弱い人が多く、それは伝統薬に胃腸薬が多いことからもわかります。
このように生まれながらにして日本人の多くは消化をして血や気をつくることができない体質なので、働き盛りの男性で、気力がでない、モチベーションが上がらないという場合は、胃腸から見直されると、よくなりやすいかもしれません。
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