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果物は誤解されている? 実は動脈硬化や高血圧の予防に有効だった!

動脈硬化性疾患予防ガイドラインでも推奨

 及川夕子=ライター

 では、太りやすいというイメージがどこから来たものなのかということですが、日本人は果物をデザートとして食べてきたことが関係しているかもしれません。つまり、食後のおなかが満たされた状態で摂取することで、おなかが膨れるため、肥満や血糖値が上がるという誤解を起こしやすくなります。それから、異性化糖と、果糖、生鮮食品である果物を混同している方が多いので、注意が必要ですね。

異性化糖、果糖、果物は、全く違うもの

異性化糖はソフトドリンクなどの原材料名に「果糖ぶどう糖液糖」などと表示されているシロップ(甘味料)ですね。これと果糖と果物はどう違うのですか?

小久保 一番の問題は、異性化糖(高フルクトース・コーンシロップ)です。これはトウモロコシを原料とする甘味料。おっしゃる通り清涼飲料水や氷菓などに甘味料として使われていますが、これを含む加工食品の大量摂取は動脈硬化性疾患の発症リスクを高める可能性が否定できないとして、動脈硬化性疾患予防ガイドラインでも摂取量を減らすことが望ましい(*5)としています。

 一方、果糖はブドウ糖に比べて腸管での吸収が遅く、また、果糖の一部は肝臓で代謝されるため、ブドウ糖に比べると血糖値の上昇は緩やかです。しかし、果物を果汁やジュースで大量にとれば、血糖値や中性脂肪を上げることになります。市販の100%フルーツジュースは健康によさそうと思っている方も多いでしょうが、容易に摂取できるので血糖値などを上げやすいし、濃縮還元の過程で抗酸化ビタミンやミネラル、食物繊維がかなり失われてしまうので、果物を丸ごと摂取することに比べると体に良い効果は少なくなります。

 手作りのスムージーなら、ビタミンもあまり壊れていないし、食物繊維などが残るので、まだ良いかもしれません。

果物は、できるだけ丸ごととったほうが健康効果を享受できるということですね。

小久保 はい。果物には、果糖のほかに、ビタミンやミネラル、抗酸化成分、食物繊維なども含まれています。また、果物を丸ごと食べようとすると、咀嚼(そしゃく)する必要があるため、ゆっくりとることになります。それで血糖値の上昇を招きにくいのです。

新鮮な果物はビタミン、ミネラル、食物繊維の宝庫

果物に含まれるビタミンやミネラルは、体内でどんな作用をするのですか? 動脈硬化や血圧とどのような関係があるのでしょうか。

食物繊維が多いのも果物の魅力(c)Tatjana Baibakova -123rf

小久保 ビタミンCやEといった抗酸化ビタミンは、体のサビの原因となる活性酸素を除去する作用がありますし、ミネラルの吸収にも必要な栄養素です。

 また、高血圧は動脈硬化の危険因子の一つですが、野菜や果物に多く含まれるカリウムには塩分排出効果があり、減塩生活をサポートしてくれます。摂取してもおなかが空く頃には体外に排出されるため、カリウムが豊富な野菜や果物は毎食とったほうがよいです。

 そのほか、マグネシウムは細胞膜の安定のために欠かせないミネラルで、適量をとることで血圧を下げる効果が期待できます。

 さらに、動脈硬化性疾患の予防には食物繊維の摂取を増やすことも推奨されていますが、果物類には食物繊維が豊富なものが多い。水溶性食物繊維には食後血糖値の急上昇を抑える働きなどが期待できます。

手の届くところにいつも果物を

ビジネスパーソンが、手軽に果物を取り入れるには、どんな工夫をしたらよいでしょう。継続しやすいとり方や、どんな果物をとるとよいかについて教えてください。

*5 ただし、果糖含有加工品の大量摂取が動脈硬化に及ぼす直接的影響についてはエビデンスを示すのに十分な論文がまだなく、推奨レベルはB(弱い推奨)である。
血圧
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