「肺炎はワクチンで予防できる」知らない人は4割
一方で、肺炎は予防できることを知っているかとの質問に対しては、4割以上(43.5%)が「知らない」と答えた。予防できることを知っている人(56.5%)でも、肺炎に感染しないためにワクチンを接種したことがある人は6割未満(58.1%)だった。
回答者全体の42.5%が成人してからこれまでにワクチンを接種したことがあり、接種経験のあるワクチンの種類は「インフルエンザワクチン」(76.8%)がトップで、「肺炎球菌ワクチン」(50.1%)が続いた(図3)。
これまでに医師から接種を薦められたことのあるワクチンも「インフルエンザワクチン」(48.9%)が最も多い。次いで「肺炎球菌ワクチン」(18.3%)が多いが、30ポイント以上も差が開いていることから、医師が肺炎球菌ワクチンを薦めるケースはまだ少ないことがうかがえる(図4)。
これらの結果から、慶応大学医学部の岩田敏教授は、肺炎予防に対する意識は必ずしも高いとは言えないと指摘している。また、回答者の35.0%が肺炎は「治療すれば治る」とのイメージを抱いていることについて、間違いではないが、高齢者は入院による日常生活動作の低下が他の年代に比べて著しく、寝たきりになって肺炎を繰り返す恐れがあるため、発症してから治すのではなく、発症しないように予防することが重要だと強調している。